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第5回佐賀がばいダッシュ

前年覇者を競り落とす
  人馬ともに重賞初制覇

今年の佐賀がばいダッシュの登録馬は12頭いたが、ミスカゴシマやダイリンウルフらの1400メートル重賞勝ち馬を含む5頭が回避。その5頭中4頭はA級900メートル戦への出走歴がなかった一方で、出走してきた7頭のうち、直近のA級900メートル戦だった佐賀スプリングダッシュ(2月25日)からは上位4頭を含む5頭が参戦と、スプリント戦への適性が高い馬が集結した形となった。

昨年の佐賀がばいダッシュをタイレコードで勝利し、その後も佐賀葉隠ダッシュ、佐賀スプリングダッシュも勝って、900メートル戦通算6戦5勝のロトヴィグラスが単勝1.1倍と圧倒的な支持を集め、2番人気は佐賀スプリングダッシュ3着のトモジャドットが5.0倍に推されていた。

スタート直後にまず先頭をうかがったのはトモジャドットだったが、ほどなくロトヴィグラスが先頭を奪い、単勝1、2番人気のハナ争い。その両馬からさほど差がなくアンクレットハートとスーパースナッズが付け、残る3頭は大きく離され、上位争いは前の4頭に絞られる形となった。

3コーナーに入ってもロトヴィグラスは先頭をキープしていたが、前年のようにそこから後続との差を大きく広げていくことができず、内を突いて上がってきたスーパースナッズに直線で並びかけられ2頭の争いに。

最後はスーパースナッズが1馬身抜け出して勝利。ロトヴィグラスはゴール直前で3番手以下に迫られたが2着は確保。3/4馬身差の3着争いは、キングキャヴィアが後方集団から追い上げてきたが、アンクレットハートがハナ差先着。

昨年の佐賀がばいダッシュは同年の佐賀スプリングダッシュの1、2着馬がそのまま1、2着だったが、今年は1、2着が入れ替っての決着で、改めて同レースとのつながりの強さを示した。3着馬は佐賀2戦は不振だったが南関東の1000メートル以下での上位実績が豊富な馬だった。

スーパースナッズは22年(当時は手島勝利厩舎)に1400メートル重賞での2、3着が各1度あったが、2度目の900メートル戦挑戦で重賞初制覇。また鞍上の金山昇馬騎手も重賞初制覇で、ゴール時には雄たけびと渾身のガッツポーズが飛び出し、引き上げてきたときには感極まって涙ぐむシーンもあり、喜びを爆発させていた。

管理馬がワンツーフィニッシュを決めた真島元徳調教師は、「スーパースナッズは、この後はノースクイーンカップ(7月6日、門別)に申し込んでいます。がばいダッシュ(の900メートル)は忙しすぎたのと、時計がもうちょっと足りませんが、今日の走りができれば」と、スプリント路線からは離れる一方で、「ロトヴィグラスはスタートは普通に出たのですが、そのあとのダッシュがつきませんでした。習志野きらっとスプリント(7月25日、船橋)に選ばれれば行きたいですね」と、こちらは昨年5着だったスーパースプリントシリーズ・ファイナルへの再挑戦となりそうだ。

取材・文上妻輝行

写真桂伸也(いちかんぽ)

Comment

金山昇馬騎手

出脚もついて道中はいい感じの手応えだったので、あとは直線伸びてくれという感じでした。(位置取りは)想像とはちょっと違いましたが、結果的にはあれでよかったのかなと思います。また乗る機会があれば、勝てるように頑張りたいと思います。

真島元徳調教師

転厩してきたときは馬体が大きすぎて、減らそう減らそうと手探りだったので、今日ここまで走るとは思っていませんでした。前走(北山湖特別、5着)で負けはしましたが、叩きつけて思い切って(逃げて)行ったのが、今日生きたかもしれません。