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佐賀競馬場「FUJI」


浅野靖典

2023.03.09 (木)

「トマちゃん」(550円)

1972年に現在の場所に移ってきた当初は、スタンドの4コーナー寄りにある食堂街の18店舗がすべて営業。入場門を入って右側にある軽食売店も、当初は6店舗が営業していました。

しかし2021年の時点で店を開けていたのは、食堂街が4つ、軽食売店が2つ。

シャッターが並ぶ風景は地方都市の駅前商店街のようですが、そんななか2022年に新しい店「FUJI」がオープンしました。

これまでの佐賀競馬場では見られなかった電飾の看板が、いわゆる「食堂」とは違う雰囲気。しかしそのお店ができて以降、私の3回の佐賀競馬場の訪問時には入るタイミングがなく……

そして4回目の今年2月12日に行ってみると、お店の前にものすごい列ができている!

その日は佐賀競馬場と「ウマ娘」がコラボしていて、そのお店でフードやドリンクを買うとオリジナルのポストカードが付いてくるイベントを開催していたからでした。

その人数は昼すぎでおよそ50名、夕方5時でも20名。それだと食レポをするのはキビシイなあ。

しかし2週間後、ついにお店を訪問する機会がやってきました。

九州産限定「たんぽぽ賞」の終了後、勝った馬の生産牧場さんの祝勝会が「FUJI」で開催されたのです。

といっても佐賀競馬場は酒類を提供していないので、注文するのはソフトドリンク。でもそのメニューが豊富すぎてビックリ!

しかもドリンクが「スペシャル系」が550円で、そのほかは300円。しかも全部アイスがおまけで付いてくるって、サービスしすぎじゃない?

これで経営は大丈夫なのかなあと余計な心配をしつつ、運ばれてきたドリンクで乾杯!

いやしかし、メニューがとても多いですねえ。お店のお姉さんによると、競馬場で飲食店をやりたいと競馬組合の事務所に問い合わせて、2022年5月14日にオープンしたそうです。

「場所はどこでもいいですよと言われましたが、あえてスタンドから遠いところを選びました」とのこと。

すると「食事もおいしいんですよ」とお誘いが……。そう言ったのは牧場グループのひとりで、自作の競馬グッズをお店に置いてもらっている人。でも競馬場に来る前に食べ過ぎたんだよなあ……

しかしドリンクだけでは「馬美味行脚」の名がすたる。お店のなかに移動して、たくさんあるメニューのなかから「トマちゃん(トマトちゃんぽん)」をお願いしましょう!

メニューには「豚骨とトマトベースのコクのあるさわやかなスープに、もっちりちゃんぽん麺、やわらかい豚肉、もやしと水菜、トマトでヘルシーに」

というセールスコメント。しかし550円って、こちらも安すぎではないですか?

到着した「トマちゃん」を見ても「お値段以上」という印象で、味もメニューに書いてあるとおりで高いレベル。さらにドンブリの横には粉チーズにタバスコ、ラー油が添えられて、これまたサービスしすぎじゃない?

この日は夕食ヌキにする予定でしたが、おいしさが圧倒的に上回りました。というわけであっさり完食。そのほかのメニューにも魅力的なものがたくさん。この店で食事することを目的に競馬場に来る人もいるんだろうなと思えるお店です!

浅野靖典(あさのやすのり)

競馬キャスター・ライターとして活動中。JRAブリーズアップセール、八戸、九州の各競走馬市場にて司会進行を担当。ライターとしては、
・競馬総合チャンネル(netkeiba.com)
・POGの達人
・JRAホームページ
・週刊プレイボーイ
・WEBハロン
などに寄稿している。