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第26回霧島賞

直線抜け出し昨年2着の雪辱
  テイエム勢が3年連続勝利

霧島賞は九州産限定戦では最高賞金(1着800万円)で、今年の出走馬12頭を生産県別でみると熊本4、宮崎1、鹿児島7(昨年は熊本4、宮崎2、鹿児島5)。近年の各県の生産頭数におおむね比例し、日本軽種馬協会の九州種馬場が置かれ九州の馬産をリードする存在の鹿児島が底力を発揮しているのが見て取れる構成となっている。

JRA7頭、他地区2頭の出走馬は、全馬これまでの九州産限定戦などで佐賀出走歴があり、例年に比べると力の比較がしやすく、単勝人気は近走でJRA2勝クラスで健闘しているルピナステソーロ(JRA・熊本産)が2.2倍、テイエムラッシュ(JRA・鹿児島産)が2.4倍と、ほぼ差のない評価を受けていた。

佐賀競馬場は7月30日から夏のほとめきナイター開催を行っているが、この日はヤングジョッキーズシリーズトライアルラウンドが第3、4競走。霧島賞が第5競走(16時50分発走)と、交流戦は早い時間帯に組まれており、霧島賞の発走の頃は、本走路の内側は夏の強い日差しを浴びて砂が白く輝き、外側はスタンドの黒い影が色濃く落ちるコントラストの強い光景となっていた。

揃ったスタートからルピナステソーロとテイエムサツマオー(佐賀・鹿児島産)が前をうかがうも、ハナ争いとまではならずにルピナステソーロが先頭へ。イチザウイナー(JRA・熊本産)、テイエムラッシュ、イロエンピツ(JRA・熊本産)といった上位人気馬も先行馬群にスンナリと収まった。

ルピナステソーロが先頭を守ったまま直線を向くと、そのまま押し切るかとも思われたが、4コーナーで2番手まで浮上していたテイエムラッシュが直線で一気に交わし3/4馬身差をつけて勝利。2頭の争いからは4馬身離れてイチザウイナーが3着。以下、6着までJRA勢が独占となった。

テイエムラッシュは霧島賞では一昨年4着、昨年は勝ち馬から2馬身差の2着で、3度目の挑戦での勝利。昨年の霧島賞後に2勝クラスを3戦し、前々走で6着と、今年の出走馬の中では上位の実績があり、ここは順当勝ちとなった。

鞍上の石川慎将騎手(佐賀)、管理する五十嵐忠男調教師はともに昨年テイエムチューハイで勝利しており、霧島賞の連覇達成。また、20年はテイエムノサッタが勝利しており、生産牧場のテイエム牧場(鹿児島)と馬主の竹園正繼氏は3連覇達成となった。

佐賀所属馬は2月のたんぽぽ賞を勝ったタケノサイコウがその後は1戦のみでここには出走せず。近走で佐賀A2級での勝ち星があるテイエムサツマオーが地方最先着を確保するも7着と厳しい結果となった。

今年は地方競馬史上初となる九州産限定の2歳新馬戦が行われ、ヒイズル(宮崎産)が勝利。その新馬戦の出走馬からその後3頭が勝ちあがっており、ひまわり賞(JRA小倉)、たんぽぽ賞、霧島賞と続く九州産路線での活躍が期待されるところだ。

取材・文上妻輝行

写真早川範雄(いちかんぽ)

Comment

石川慎将騎手

1番の馬(ルピナステソーロ)が相手だと思っていたので、それを見ながらと思っていたんですけど、ちょっとダッシュがつかなくて自分が思い描いていたより1列後ろになりました。4コーナーでは前をなんとか交わせそうな勢いだったので、あとは馬の力を信じて追いました。