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第2回川崎スパーキングスプリント

ハナを主張し後続の追撃をしのぐ
  ファイナル習志野連覇に手応え

スーパースプリントシリーズ2022の川崎スパーキングスプリント。重賞格上げとなって2回目の今年も、電撃の900メートル戦に11頭のスピード自慢たちが集まった。

トライアルを制して3連勝中のファントムバレットがB1クラスからの挑戦で単勝2.5倍の1番人気。小林祥晃オーナーが所有する牝馬の短距離重賞ウイナー、キモンルビーとコパノフィーリングが続いた。

そして2代目のチャンピオンに輝いたのは、森泰斗騎手がエスコートしたコパノフィーリング。中央時代に3勝をあげて昨年夏から南関東の一員になると、習志野きらっとスプリントと兵庫ゴールドカップで重賞2勝。重賞未勝利馬が多い今回のメンバーで、5カ月の休み明けでも格の違いを見せつける走りを見せた。

この時期にしては肌寒く早い時間から小雨が降り、メインレースでは小康状態となって馬場は稍重。

スタートでは小林オーナーの勝負服2頭が馬体を併せてスーッと抜け出すが、出ムチを入れて主張したコパノフィーリングがハナを取り切り、キモンルビーは2番手に控えた。

1、2馬身ほどリードを保って逃げたコパノフィーリングは、直線では後続勢に迫られながらも最後は半馬身差でしのぎきった。勝ちタイムは53秒4。

2着は中団から追い込んだコウギョウブライト、ハナ差で3着がキモンルビー。1番人気のファントムバレットは5着。コパノフィーリングとコウギョウブライトには習志野きらっとスプリントへの優先出走権が与えられる。

「ゲート内の駐立が悪くて常にスタートの不安はある馬ですが、今日はうまく切れました。内枠だったので強引に主張して行かせてもらい、900メートルにしてもちょっと速くて、そのぶん最後に詰め寄られましたがよく踏ん張ったと思います」(森騎手)

習志野きらっとスプリントは同じ小林オーナーのラブミーチャンが3連覇を飾り、森騎手も2013年に手綱を取った。そんな思い出の舞台で、コパノフィーリングは連覇を目指す。

一方、川崎若手騎手たちの姿も目立った。池谷匠翔騎手が騎乗し5番人気ながら2着に入ったコウギョウブライトは、人馬ともに重賞では最高着順。池谷騎手の父は元体操選手でタレントの池谷直樹さん。レース前日にも人気テレビ番組に家族で出演して反響を呼んだばかりだった。

「直線で勝負をするという展開は予想していたので自分なりにはいい競馬はできましたが、重賞2着なのでうれしさと悔しさがあります。テレビで自分のことを知ってもらえた次の日に重賞で結果を出せたのは良かったです。優先出走権はもらったので結果を出せるように頑張ります」(池谷騎手)

ダンディーヴォーグで南関東の重賞初騎乗となった中越琉世騎手は、後方から豪快に伸びてきて4着。神尾香澄騎手は自身が初勝利をあげた思い入れたっぷりのマッドシェリーと、人馬ともに重賞初挑戦で8着。近年川崎でデビューする騎手が増えており、切磋琢磨しながら盛り上げていって欲しい。

取材・文 高橋華代子

写真 築田純(いちかんぽ)

Comment

森泰斗騎手

最終追い切りに騎乗させてもらって、これなら問題ないという感触をつかみました。牝馬なので夏場に向けて調子も上げていくでしょうし、僕も携わっていきながらテンションが上がり過ぎないように調整をしていきたいです。オーナーと厩舎にはずっとかわいがって頂いて、次もいい結果を出したいです。

新井清重調教師

放牧に出していた岩城ステーブルさんからいい状態で帰ってきました。休み明けなのでゲートの中での不安はありましたが、いい感じで出られたと思います。あとは行き切ってくれると思って見ていました。次もディフェンディングチャンピオンとしていいレースができるように頑張りたいと思います。