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帯広競馬場「Kitchenばんえい」


浅野靖典

2022.06.09 (木)

「ばんバーガー」(450円)

帯広競馬場にはスタンド内に3店舗、スタンドの外に焼鳥屋さんとジンギスカン屋さんがあり、入場ゲートの手前にも飲食店がありますが、ばんえい競馬を楽しむ人たちの利用率が高いのはやはり、昔からあるスタンド1階の中央にある食堂でしょう。

ここは十年くらい前までは失礼ながら「昔ながらの食堂」で、個人的にはビミョーという印象がありました。でも数年前あたりから、様子が変わってきたなと思っていました。

その要因は、新しいメニューが追加されたことと、店舗が改装されたこと。以前は見た目もメニューもこの店ができた昭和40年台後半の香りがたくさん残っていましたが、全体的な雰囲気がとても明るくなったのです。

そのなかで地元のかたにオススメされたのが、新メニューのひとつ「ばんバーガー」。

「ほんのりとカレーの味がしますよ」

とのことでしたが、味見の前にまずは撮影。パンの上には競馬場内を笑顔で練り歩く「リッキーくん」の焼き印が入っています。

包み紙を開くと、おお、たしかにカレーの香りで重量感もなかなか。どうすればウマそうに見える写真を撮れるのか、ちょっとした苦労がありました(笑)。

しかし撮ってばかりだと冷めてしまうので、30枚くらい撮ったところでいただきます!

漂ってきたカレーの香りは味にもついていて、でもそれはかすかに感じるくらい。はさまっているハンバーグがとてもやわらかくて、マヨネーズもクドさを感じさせない量でした。おそらく商品化するまでに相当な試行錯誤を重ねたのだろうなあ。

「無観客の時期もありましたけれど、その間を含めていろいろと試してメニューを増やしました。今シーズンになって、やっとお客さんが戻ってきましたね」

と、お店のおねえさま。遠方からの来場者も増えてきたと感じているそうです。

最近はネット投票の売上が伸びていますが、ばんえい競馬はナマで見ると競技への理解度が一気に深まります。まさに「百聞は一見に如かず」が実感できる世界。先日、競馬にまったく興味がない人を8人も連れて帯広競馬場に行きましたが、馬の大きさとレースを見て一発で「馬のおかげで十勝平野が広大な農地になった」と理解してくれました。

その歴史を伝えるためにも「北海道遺産」である、ばんえい競馬がさらに発展してほしいもの。そして遠方からのファンはぜひ、競馬場内や帯広市内での食事で「フードバレーとかち」を体感してほしいと思います!

浅野靖典(あさのやすのり)

競馬キャスター・ライターとして活動中。JRAブリーズアップセール、八戸、九州の各競走馬市場にて司会進行を担当。ライターとしては、
・競馬総合チャンネル(netkeiba.com)
・POGの達人
・JRAホームページ
・週刊プレイボーイ
・WEBハロン
などに寄稿している。