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ケラススヴィア


高橋華代子

2022.04.20 (水)

「気になるあの馬はケラススヴィア」

撮影:高橋華代子

南関東牝馬二冠馬ケラススヴィアが現役を引退し、北海道で繁殖生活をスタートさせました。

ケラススヴィアは2020年9月に浦和競馬場からデビューし、ローレル賞と東京2歳優駿牝馬を含む負けなしの4連勝。

翌年の南関東牝馬クラシック戦線も、非凡なスピードからハナに立って押し切る内容で、桜花賞と東京プリンセス賞を完勝して南関東牝馬二冠を達成しました。史上2頭目となる南関東牝馬三冠馬の称号をかけて臨んだ関東オークスは惜しくも2着。

NARグランプリ2021 3歳最優秀牝馬を獲得し、グランダムジャパンでは2年連続で世代の頂点に立ちました。

ラストランとなった3月の京成盃グランドマイラーズは12着に敗れたものの、南関東の一戦で走る牡馬たちと対戦する中でも、この馬らしく果敢にハナを切っていく競馬スタイルは感動を呼びました。

「あのメンバーに入っても楽々ハナに行けるし、4コーナーまで先頭でしたからね。最後にこの馬らしい走りをしたなぁとは思います。頑張ったと思うし、何より無事に牧場へ帰すことができるのはすごくホッとしています」(主戦の森泰斗騎手)。

4月上旬に新天地となる北海道の天羽禮治牧場(日高町)に移動。天羽里美さんにお話しを伺ったところ、ケラススヴィアは440キロ台で競馬を使っていただけに、実際会っても小さくて、数々の成績を残してきたのはすごいことだなぁと感じたそうです。

最初は放牧地に他の繁殖牝馬たちとは分かれていたそうですが、徐々に一緒の放牧地に離す際、まずは一番強い繁殖牝馬のリーダーと顔合わせをし、その後は他の繁殖牝馬にも自分から鼻を突き合わせていきながら、挨拶回りをしているというお話しを伺いました。数々のビッグな称号を得ても、ここでは新入りさん。新しい生活を送り始めているんだなぁと実感させて頂きました。

この短い間でたくさんの称号を手にしてきたケラススヴィア。今度は母として夢を叶えて欲しいと思います。

「デビューから2戦目で急に距離が延びた時のパフォーマンスを見て、これは違うなという感触はありました。すばらしいスピードから押し切る競馬で、クラシックの頃は本当に強かったと思います。もっと走れたなぁと反省すべきところも多く悔しいので、これからに生かします。子供に巡り合って、また自分が管理させて頂ければ」(小久保智調教師)。

高橋華代子(たかはしかよこ)

元NHK山形放送局キャスター。現在は南関東競馬を中心に取材活動中。
<掲載媒体>
・南関魂
・TCKホームページ
・楽天競馬
・WEBハロン
・馬事通信
・netkeiba.com
・ターファイトクラブ会報誌
・SPAT4ザ・ウィナーズ など