web furlong ウエブハロン

地方競馬のオンライン情報誌ウェブハロンPresented by National Association of Racing

Copyright(C) 1998-NAR.All Rights Reserved.

第20回鎌倉記念

今年も北海道からの遠征馬
  人気馬を振り切り重賞初制覇

これからの地方競馬を担っていく2歳馬たちによる未来優駿。地方全国交流の鎌倉記念は、ホッカイドウ競馬から2頭、迎え撃つ南関東勢は7頭で9頭立て。笹川翼騎手が初騎乗となった4番人気シルトプレ(北海道)が重賞初制覇を飾り、2歳王国ホッカイドウ競馬の強さを見せつけた。

デビューから4戦全勝のノブレスノアがハナを切ると、すかさず南関東二冠牝馬トーセンガーネットの半弟カイルが続き、外の3番手にシルトプレ。その後ろから、チーズマヨの仔メンタイマヨ、単勝1.5倍の圧倒的人気ママママカロニが続いた。

スタンド前でごちゃついた際にポジションを下げたプリサイスニードルが、向正面半ほどから一気に動いて先頭に並びかけていくと、先団6頭が固まる展開。3コーナーでは前を行くノブレスノアにシルトプレが並びかけ、ママママカロニも追いかけていき3頭が後続を引き離した。

最後の直線でもノブレスノアが先頭で粘っていたが、シルトプレがこれをねじ伏せる形で先頭に立って押し切った。ママママカロニはゴール前で猛追したが1馬身差2着、1馬身半差でノブレスノアが3着に入った。

勝ちタイムは1分33秒9(稍重)で、3年前のミューチャリーのレースレコードにコンマ3秒差と迫る好タイム。シルトプレ、ママママカロニが全日本2歳優駿JpnIの優先出走権を獲得した。

「レースは出方を見てからと思いました。ペースは最初緩かったので動いてくる馬はいるだろうなと頭には少し入れていましたが、馬もすごく反応してくれて3~4コーナーもスムーズでした。直線では1頭になるとフラフラしてしまったり、そういう幼さはありましたが、これも使っていけば改善されると思います」と笹川騎手。

優勝したシルトプレは原久美子氏の所有馬で、北海道の林和弘厩舎から7月にデビューしたが、林調教師は9月に他界。その後は櫻井拓章調教師の管理となっているが、昨年のこのレースを優勝したリーチも原オーナー、林厩舎デビュー馬で、このコンビが2年連続で勝利を飾ることになった。

デビューからこれで5戦目の若駒が、門別競馬場から川崎競馬場まで20時間近くかけての輸送で、コースや左回りなど初物尽くしの環境の中でしっかり結果を出したのは素晴らしい。

一方、前走のゴールドジュニアを圧勝して3戦3勝、断然人気に支持されたママママカロニも負けて強しの内容だった。1周目のスタンド前でごちゃつく形になり、初めての左回りで4コーナーではふくれるようなシーンも見受けられた。初コースや初距離なども克服してのこのパフォーマンスは、次につながる結果だった。名前のインパクトは抜群だが実力も兼ね備えたママママカロニの今後も非常に楽しみだ。

取材・文 高橋華代子

写真 築田純(いちかんぽ)

Comment

笹川翼騎手

前走で乗っていた同期の石川倭騎手から『少しズルい所がある』と聞いていました。櫻井調教師をはじめ、前に所属していた林先生など皆さんのお蔭で、本当に丁寧につくられている馬だというのは返し馬で感じたので、レースに行く前から自信はありました。こういう強い馬に乗せていただいて感謝しています。