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第32回九州ジュニアチャンピオン

4コーナー先頭をとらえ快勝
  混戦模様の2歳戦線をリード

『未来優駿2021』第3戦は、佐賀デビュー馬の2歳王者決定戦・九州ジュニアチャンピオン。今年佐賀の2歳戦は5月14日の新馬戦からスタート。5月29日からは2歳1組も組まれ、ここまで7競走(うち、特別1競走)が実施されたが、そのいずれも勝ち馬が異なっている。また今回は、JRA小倉のフェニックス賞で佐賀勢最先着の6着だったブリュットミレジメの登録がなかったこともあり、確固たる主役が不在の状況。それでも、フェニックス賞8着も佐賀では2戦2勝のブルーデイジーが単勝1.7倍、前哨戦のシリウス特別を勝ったユウワクスレスレが2.6倍と、それぞれ前走で勝利を挙げている2頭に人気が集中することとなった。

今秋は9月25日からほとめきナイター開催となり、九州ジュニアチャンピオンは最初の重賞競走。走路は明るく照らされてはいるが、この日は終日好天に恵まれ、日没直後とはいえ空は青さを残した中での発走となった。

揃ったスタートからハナを奪ったのはブルーデイジー。その直後にモーモーグリーンが付け、ユウワクスレスレとムーンオブザクインも追走。この4頭が2コーナーから後続を引き離し縦長の展開となった。4コーナーでは粘り込みを図るブルーデイジーに外からムーンオブザクインが並びかけて行き、直線に入ってすぐに先頭を奪取すると、そのまま押し切って勝利を収めた。

2馬身差の2着争いは、ユウワクスレスレとブルーデイジーに、道中後方から上がってきたサンヨースマイルが直線伸びて3頭横一戦。2着はユウワクスレスレで、アタマ差の3着は2頭同着となった。勝ったムーンオブザクインは単勝3番人気で、人気上位3頭がいずれも3着以内を確保したが、3着同着のサンヨースマイルは11頭中の10番人気で、3連複と3連単(2通り的中)はいずれも片方は人気サイド、もう一方は万馬券と、堅調と波乱が同居する結果となった。

ムーンオブザクインは2歳戦開始直後の5、6月に新馬、2歳1組と2連勝。その後の3戦は勝ち星がなかったが、2歳1組やシリウス特別で掲示板内は確保と、堅実に上位を確保していた。管理する土井道隆調教師は「兄(現3歳の全兄ムーンオブザボス)は距離が延びてから走っていましたが、こちらがどうかはまだクエスチョンが付きます」とまだ手探り状態で「馬の状態を見てレースを決めることになるので、次の目標は未定です」とのこと。

2着、3着馬も勝ち馬とはさほど差がなく、持ち味は発揮したレースぶりだっただけに、佐賀デビュー馬の序列はまだ固まったとは言えないところ。一方、他地区デビュー馬の佐賀転入が本格化するのはこれから。ここまで目立った成績を挙げているのはJRAから転入後4戦4勝のタケノサイコウぐらいで、こちらも勢力図は大きく変わっていきそう。両勢力が激突するカペラ賞(11月14日)も混戦となりそうだ。

取材・文 上妻輝行

写真 桂伸也(いちかんぽ)

Comment

川島拓騎手

なかなか勝ちきれないレースが続いていたのですけど、今回、いい所で勝ててよかったです。外枠なので強めに(追って)砂を被らないところまでは行きたいなと思っていました。これからも伸びしろがある馬だと思っているので、うまく乗っていきたいと思います。