web furlong ウエブハロン

地方競馬のオンライン情報誌ウェブハロンPresented by National Association of Racing

Copyright(C) 1998-NAR.All Rights Reserved.

第11回習志野きらっとスプリント

危なげなく逃げ切り重賞初勝利
  短距離路線にニューヒロイン誕生

スーパースプリントシリーズ2021ファイナルの習志野きらっとスプリントは、電撃の5ハロン戦で行われる。

そのシリーズのトライアルからは、川崎スパーキングスプリントを優勝したカプリフレイバーの出走取消(左前蹄球挫創)は残念だったが、園田FCスプリントの覇者ダノングッドや、グランシャリオ門別スプリントを制したアザワクらが名を連ねた。

そんな中、このレース第1回から3連覇を飾ったラブミーチャンと同じ小林祥晃オーナーが所有するコパノフィーリングが主役を演じた。

中央時代はダートの1000メートルと1200メートルで計3勝を挙げ、このレースを目標に、船橋の新井清重厩舎へ移籍。ラブミーチャンとのコンビで13年のこのレースを優勝している森泰斗騎手が手綱を取り、初戦はA2以下のレースで完勝。重賞初挑戦だったここも危なげない走りを見せた。

3枠3番からスーッと単独先頭に立つと、アザワクやフランシスコダイゴなども続いていき、その後ろにはクルセイズスピリツやアドバイザー、中団からはキャンドルグラスなどが追走し、3コーナー過ぎでは縦長の展開。

コパノフィーリングは終始楽な手応えで、4コーナーからはさらにリードを広げていき、2着に3馬身差をつける完勝。勝ちタイムは58秒6(良)。2着は大外から脚を伸ばしてきた1番人気キャンドルグラスで、3着がフランシスコダイゴだった。

移籍初戦は3番手から抜け出したが、今回は逃げ切り。「1000メートルなので逃げられるなら逃げたいなと思っていましたが、ちょっとゲートのうるさい馬で、周りも速い馬だらけだったので、逃げという形は想定していませんでした。スタートもすばらしくて二の脚も速かったので、切り替えて逃げになりました」(森騎手)

これで南関東では2戦2勝と負けなし。今年の東京ダービー馬アランバローズや関東オークスJpnII馬ウェルドーンと同じ、ヘニーヒューズを父に持つ4歳牝馬だ。

「返し馬の時点で、前走からの上積みがかなりあるなと感じたので、新井先生をはじめ厩務員さん、厩舎関係者の皆様に感謝しています。まだ僕自身つかみきれていない部分もありますし、どの競馬がいいのかというのも探り探りではあると思いますが、今日の勝ちタイムを含めてすばらしい内容でしたので、この先の期待は大きく膨らみました」(森騎手)

今後は東京盃JpnIIなど中央との交流戦も視野に入れながら、馬のコンディションを見て小林オーナーと相談をしていくそうだ。この路線にニューヒロインが誕生。全く底を見せていない走りから、今後の活躍が大いに楽しみだ。

取材・文 高橋華代子

写真 国分智(いちかんぽ)

Comment

森泰斗騎手

このレースでこの勝負服というのは、僕が若い頃にラブミーチャンで勝たせていただきましたが、今日は恩返しができて良かったです。短距離路線で活躍して欲しいと、南関東に連れてきていただいた馬で、まずは2戦2勝の結果を出すことができました。地方馬として交流重賞を含めて活躍してくれると思います。

新井清重調教師

周りに速い馬たちもいたので番手くらいの競馬になるかなとも思いましたが、内枠からうまく出て行く競馬ができて良かったです。船橋所属馬がずっと重賞を勝っていて、船橋競馬場は素晴らしい所なんだなぁと、皆さんにまた見に来てもらって船橋競馬を応援してもらえたらありがたいと思います。