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第20回ル・プランタン賞

1番人気にこたえ一騎打ちを制す
  重賞2勝目で目指すは春の二冠

ル・プランタン賞は、グランダム・ジャパン(GDJ)3歳シーズンの第3戦ではあるが、今年は他地区からの登録は、初回発表時点で3頭に留まり、うち2頭が回避。出走してきたのは高知のサンシェリダンのみとなった。佐賀からはシュリーデービー(10月・九州ジュニアチャンピオン)、プリマステラ(11月・カペラ賞)、トゥルスウィー(1月・花吹雪賞)の重賞勝ち馬3頭を含む10頭が出走。11頭全馬がGDJ3歳シーズン初参戦の顔ぶれとなった。

令和3年度の佐賀競馬はナイター開催を拡充し、春季は4月2日から5月9日まで『ほとめきナイター』を実施。この日は朝方からの雨は去ったものの、その影響は残り馬場状態は不良。ナイター開催ではあるが、従来通りの18時台(第5レース)に組まれたル・プランタン賞を迎える頃には1コーナーから4コーナーに向けて強風が吹き付け、肌寒い曇り空の下での発走となった。

好スタートを切った最内のナイスデアイがハナをうかがうも、大外からシュリーデービーが軽快に飛ばして先頭を奪い、トゥルスウィーはやや離れた2番手へ。1周目の直線でサンシェリダンも3番手まで浮上し、上位人気3頭が前でレースを進める展開となった。

2コーナーでトゥルスウィーがシュリーデービーとの差を詰めにかかると、2頭とサンシェリダンとの間が大きく開いていった。両馬は3コーナーから馬体を併せての一騎打ちとなったが、手応えが良かったのはトゥルスウィーの方で、直線に入るとリードを広げて勝利。シュリーデービーは懸命に粘り込みを図るも、これをとらえたサンシェリダンが2馬身半差で2着に入った。1着から3着までは単勝人気順での入線となったが、上位人気の一角を占めたプリマステラ(4番人気)は中団でレースを進めたものの、前の争いには参加できずに6着敗退となった。

トゥルスウィーはデビューした北海道では7月から9月にかけて3連勝し、エーデルワイス賞JpnIIIにも出走(12着)。12月の佐賀転入後に敗れたのは前走の飛燕賞の3着のみで6戦5勝とした。すでに古馬B級とも対戦し勝利を挙げており、佐賀の3歳では抜けた存在だが、気性が難しい面があり、鞍上の山口勲騎手は「折り合いをつけるのが大変で、今後は距離との戦い」と、この日のレースを振り返っていた。陣営は東海クイーンカップ(4月21日、名古屋)へ出走意欲もあったものの、佐賀3歳第一冠の佐賀皐月賞(4月25日)と日程が近いため、地元に専念とのこと。

GDJ3歳シーズンのポイント争いは、パールプレミア(若草賞)、ケラススヴィア(桜花賞)、トゥルスウィーの対象レースの勝ち馬3頭は、いずれも自地区勝利のため10ポイントで横並び。今回2着に食い込んだサンシェリダンは、他地区9ポイントを獲得し、今後の優勝争いにも十分参加できそうな位置に付けている。

取材・文 上妻輝行

写真 桂伸也(いちかんぽ)

Comment

山口勲騎手

前回ちょっと不甲斐なかったので今回は力を出せて良かったです。高知の遠征馬がハナに行くと思っていたのですが、まさか(自分の馬が)2番手でレースを進めるとは思わなかったです。力は十分あるんですが、今日も折り合いをつけるのが大変で、先頭に立ったら遊んでいました。