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  • 第43回
  • 京浜盃

3.18 (水) 大井 1,700m

直線外から豪快に突き抜ける
 南関東期待の血統が主役候補に

引き続き新型コロナウィルスの影響により、地方・中央とも競馬は無観客での開催。南関東クラシックの前哨戦・京浜盃は、春を思わせる陽気のもとで行われた。

全日本2歳優駿JpnⅠを制した昨年のダート2歳チャンピオン、ヴァケーションが南関東三冠へ向けての始動戦として注目されたが、勝ったのは単勝26.7倍、8番人気の伏兵ブラヴールだった。

低評価だったとはいえ、注目度としてはヴァケーション以上だったと言ってもいい。父は東京記念など重賞4勝を挙げ、東京大賞典JpnⅠでも4着という実績で種牡馬になったセレン。母チャームアスリープは2006年の南関東牝馬三冠を制した。ともに管理していたのは、ブラヴールと同じ船橋・佐藤賢二調教師。その産駒を大事に育てたのは、オーナーの山口圭子さん。父・母の現役時の馬主名義は夫である山口美樹さんだったが、セレンの現役中に亡くなられ、圭子さんが引き継いだ。

ファルコンウィングの逃げは予想されたとおり。ヴァケーションは好位4、5番手のラチ沿いにつけた。中央からの転入初戦で単勝では1番人気に支持されていたコバルトウィングがその直後。全日本2歳優駿JpnⅠ・3着のティーズダンクがそのうしろ中団につけ、ブラヴールはさらにうしろから徐々に位置取りを上げていった。

4コーナーで先行4頭が横一線となったが、直線半ばで様相一変。外に持ち出した3頭の伸びがよく、その中でも脚色が際立ったブラヴールが突き抜けた。3/4馬身差で食い下がったコバルトウィングが2着。2馬身半差3着にティーズダンクで、内で伸びあぐねたヴァケーションは5着だった。

ブラヴールは前走大井のクラシックトライアルを制し、血統的に注目されていたにもかかわらず、今回あまり人気にならなかったのは、その前走の勝ちタイムも、出走していたメンバーも平凡だったからだろう。それは関係者も感じていたこと。「前回は勝つには勝ったけど納得いかなかったし、ここを使っても羽田盃まで1カ月ちょっとあるので」と佐藤調教師。羽田盃、東京ダービーの優先出走権を獲得していたにもかかわらず、実戦でさらに鍛えたいという思いがあった。本橋孝太騎手も「想像以上に馬が成長していた」と、その勝ち方には驚いた様子だった。

とはいえ羽田盃に向けて、ブラヴールが頭ひとつ抜け出したというわけではなさそう。

2着だったコバルトウィングは、今回馬体重プラス11キロで「まだ重い感じで、これで変わって来ると思うので次に期待です」と矢野貴之騎手。ヴァケーションの吉原寛人騎手は「休み明けもあったし、内の深いところに入ったのも厳しかった」と。

ここを回避したなかにも、ニューイヤーカップで2着に大差をつけて逃げ切ったグリーンロード、雲取賞で強い勝ち方を見せ、当初から羽田盃直行という予定のゴールドホイヤーらの存在もある。

このあと川崎・クラウンカップ(4月15日)を経ての一冠目、羽田盃(4月29日)は有力馬多数の混戦で迎えることになりそうだ。

  • 取材・文
  • 斎藤修
  • 写真
  • 早川範雄(いちかんぽ)

Comment

本橋孝太 騎手

前回もこのコースでいい脚を見せていたので、その脚を信じて乗ろうと思っていました。最後は外に出したほうがいいんじゃないかという指示だったので、なんとか外に出せてよかったです。これからはもっと厳しい競馬になると思いますが、すごく成長しているので、僕はブラヴールを信じて乗るだけです。

佐藤賢二 調教師

前走はうしろから行き過ぎたので、できれば5、6番手あたりで少し積極的な競馬をと言ったのですが、4コーナーを回ってきたときはなんとかなるんじゃないかと思って見ていました。重賞をいくつも勝たせてもらったチャームアスリープとセレンという、思い出深い2頭の仔で勝てたのが嬉しいです。