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  • 第65回
  • ダイオライト記念 JpnⅡ

3.11 (水) 船橋 2,400m

久々の逃げで重賞2勝目
 10歳の兄も意地の3着

新型コロナウイルスの影響で、船橋競馬場のナイター開催も無観客競馬として実施。昼間以上にナイターは、より静寂に包まれる。今年のダイオライト記念JpnⅡは、いつもの年とはまた違う雰囲気の中で行われた。

中央、地方他地区、南関東と14頭が集った中、1番人気はアンタレスステークスGⅢの勝ち馬アナザートゥルース、2番人気がチャンピオンズカップGⅠ・2着など重賞戦線でも好走してきたウェスタールンド、3番人気はGⅠ/JpnⅠ・3勝で現在は地元の船橋に所属しているサウンドトゥルー。終わってみると人気通りの結果で、さらには上位3頭ともセン馬というのもなかなか珍しい。

兄サウンドトゥルーと弟アナザートゥルースの初の兄弟対決も見どころだった。東京大賞典GⅠや、チャンピオンズカップGⅠ、JBCクラシックJpnⅠなどを制し、輝かしい成績を収めてきた兄が地方所属となり、そこからバトンを受け継ぐようにして、ダート重賞戦線で頭角を現してきた弟。

アナザートゥルースは昨年1月以来となるクリストフ・ルメール騎手が手綱を取った。最近では中団前付近でレースを進めてきたが、今回は久しぶりの逃げ戦法。タガノゴールドやヤマノファイト、サウンドトゥルーといった地方馬も続いていったが、アナザートゥルースの軽快な逃げは終始変わらず。勝負所の3~4コーナーでは兄のサウンドトゥルーが並びかけようとするも、一気に突き放した。

「初コースでしたが、ずっと冷静にいい手応えで走ることができて、3~4コーナーからも頑張って加速して、ゴールまですごくいい脚で伸びてくれました。結果的には楽なレースになりました。スタミナがあるので2400メートルはバッチリです」とルメール騎手。

中団うしろから脚を伸ばして2着に突っ込んできたウェスタールンドに2馬身差をつける快勝。3着にはサウンドトゥルーが入った。

アナザートゥルースにはこれで2つ目のタイトルとなり、これからのダート中長距離戦線で非常に楽しみな6歳馬だ。「アナザートゥルースとサウンドトゥルーは、レースに対して真面目でいい根性で走ってくれるところはそっくりですね」と、兄弟を手掛けてきた高木登調教師は目を細めていた。今後のアナザートゥルースの予定は未定ということだが、賞金加算もできたため、これからも重賞戦線で頑張っていきたいそうだ。

初の兄弟対決は弟に軍配は上がったが、10歳になった今もダートグレードで好走し続けるサウンドトゥルーも本当にすばらしい。一時は元気のない成績も続いていたのだが、そこから持ち直しての現状の走り。圧倒的な強さを見せた前走の金盃から引き続き森泰斗騎手がエスコート。「ペースが遅かったので自然にあの位置取りになりましたが、最後はもうちょっと伸びるかなというイメージでした。あの流れではあれ以上後ろからになるのはきつかったので、いい競馬はできたと思います。10歳で頑張っていると思うし、えらい馬です」と、森騎手もサウンドトゥルーの頑張りを労っていた。

サウンドトゥルーは体調が整えば、4月7日のブリリアントカップ(大井・1800メートル)も選択肢に入っているという。次は多くのファンの前で走ることができるよう、切に願う。

  • 取材・文
  • 高橋華代子
  • 写真
  • 国分智(いちかんぽ)

Comment

C.ルメール 騎手

跳びはかなり大きい馬なので船橋競馬場は合います。長くいい脚を使ってくれて、なかなか止まりません。まだ6歳ですし、これからもっと重賞を勝てると思います。(無観客競馬中で)残念ながらお客様がいないので寂しいですが、また競馬場で見られると思うので、ちょっと我慢してくださいね。

高木登 調教師

パドックは適度に気合がのって、返し馬も行きたがっていましたがうまく折り合っていい内容でしたね。前回はブリンカーが邪魔をした競馬になってしまったので、今回は外しました。左回りの方がコーナーリングはいいので安心して見ることができました。久しぶりに勝つことができてうれしいです。