JpnⅠ勝ち馬が他馬を圧倒
船橋コースで再度実力発揮
東日本大震災から丸4年が経った。南関東4競馬場の中で地震による被害が一番大きかった船橋競馬場での開催。発生時刻の午後2時46分、パドックでは調教師や騎手が集まり、お客様と一緒に黙とうが捧げられた。今年で60回目を迎えたダイオライト記念JpnⅡは、武豊騎手が初騎乗した単勝2番人気クリソライトが優勝した。2年前のジャパンダートダービーJpnⅠを制した実力馬。成績が今ひとつだった時期もあったが、昨年の日本テレビ盃JpnⅡでは復活の勝利を飾り、今回のダイオライト記念JpnⅡも貫録を感じさせるかのような強さを発揮した。
「スタート次第で先手を取れるなら取ろうと思っていましたが、あまり速くならなかったので外の2番手につけました」(武騎手)。
アウトジェネラルが先頭でレースを進めていくと、クリソライトは2番手の外目、それを見る形でサミットストーンとアスカノロマンがつけていき、前半1000メートルの通過タイムは61秒9。
「もまれないように気をつけながら騎乗しました。かなり行きたがっていたんですが、スタミナがあるのか手応えはよくて最後までバテませんでしたね」(武騎手)。
クリソライトは3コーナー手前で一気に動き出して先頭に立つと、そのまま長くいい脚を使い、力強い脚取りでフィニッシュ。2400メートルの勝ちタイムは2分33秒6(不良)。2着はトウシンイーグル、3着にはアスカノロマンが入り、中央勢が上位を独占した。
勝ったクリソライトはプラス11キロの494キロでの競馬だったが、音無秀孝調教師の話では少し太いとのことだったので、余裕のある勝利だったと言えよう。今後も展開がカギを握りそうだが、気持ちよく走れた時は強さをいかんなく発揮するタイプ。まだ5歳だけに、ダートグレード戦線でどんな存在感を示していくのだろう。
一方の地方勢では、昨年のNARグランプリ年度代表馬で単勝1番人気に支持されたサミットストーンは、3番手を追走したものの直線失速して7着。最先着はドラゴンエアルの4着だった。
ドラゴンエアルは川崎からデビューし、昨年の南関東クラシック戦線は王者ハッピースプリントが大きく立ちはだかり無冠に終わったが、どんな相手とでもどんな条件でも高いレベルで安定して走れるのがこの馬の強さでもある。ダービーグランプリ(水沢)で悲願の初タイトルを手にすると、年明けの報知オールスターカップでは南関東での重賞初制覇も果たした。このダイオライト記念JpnⅡではダートグレード初参戦となったが、道中は中団付近を追走すると、終いの脚を生かして突っ込んできた。上位3頭との差はあったが、前を行くシビルウォーを最後にアタマ差交わしての入線。「展開もうまくいきましたね。いい経験になったでしょうし、このメンバーを相手に今日は頑張ってくれたと思います。これからもっと強くなってくれそうです」とコンビを組んだ森泰斗騎手。
次走はコンディションと相談し、選出されている名古屋大賞典JpnⅢも視野に入れていくそうだ。南関東の未来を担っていく成長著しい4歳馬、これからに期待したい。
武豊騎手
勝つときは強い半面、もろさもある馬だと思っていました。もまれないで早め先頭で押し切るような自分の形になれば強いですね。力はある馬です。マイルは忙しいかもしれませんが、もまれなければ対応はできると思います。僕自身、今年最初の(地方の)交流重賞を勝つことができていい遠征になりました。
音無秀孝調教師
豊さん(武豊騎手)には指示は出さず、もまれないようにということだけをお願いをしました。日本テレビ盃(優勝)ももまれずに前々で競馬ができたので、この形が理想的で、うまくいきましたね。今後のことは具体的に決めてはいませんが、船橋コースは合うのでかしわ記念は使ってみたいです。
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