第1戦 マイスターチャレンジ |
第2戦 ヴィクトリーチャレンジ |
---|
人気馬を確実に上位に導く
地元山崎騎手が2度目の優勝
「年に一度、全国の一流ジョッキーと会えるのが楽しみなんです」と、嬉しそうに語ったのはゲストの原良馬さん。佐々木竹見カップジョッキーズグランプリ当日には、佐々木竹見元騎手と、競馬解説者の原良馬さんのトークショーが毎年行われている。この競馬界のレジェンド2人の話を楽しみにしているファンも多いことだろう。佐々木竹見氏の今年の注目騎手は、初出場の永森大智騎手(高知)。「(昨年)195勝というのは凄いこと。毎年来てもらいたいですね」と期待は大きいようだ。一方、「これまで2位が4回ですもんね。優勝してもらいたい」と原良馬さんは、今年で10回目というメンバー中最多出場の岡部誠騎手(愛知)の名前を挙げた。またJRAからは、岩田康誠騎手と戸崎圭太騎手が選出された。元地方競馬所属騎手が2名参戦するのはシリーズ史上初めてのこと。「経験豊富な地方競馬のトップジョッキーは、やはりレベルが高いということ」などという話もあちこちで聞かれ、地方競馬時代の勝負服を纏う2人にも大きな声援が送られていた。
普段と違う競馬場や対戦騎手、ポイント獲得への思惑もあってか、人気通りにはなかなか収まらないのがこのシリーズ。しかし、第1戦のマイスターチャレンジはプレッシャーをはねのけた山崎誠士騎手(川崎)が1番人気に応えてみせた。
1枠を利して内田利雄騎手(浦和)とミッキールドラが先手を取り、2番人気の左海誠二騎手(船橋)とタツノオトシゴが3番手、山崎騎手とダークダイナミックはその直後の外目好位につけた。直線入口で先頭に立ったのは左海騎手で、外から伸びてきたのが山崎騎手と、御神本訓史騎手(大井)のフクジュソウ。最後は山崎騎手が力強く抜け出し1着の50ポイントを手にした。3/4馬身及ばなかったが、7番人気で好走した御神本騎手が2着。直線で大外から末脚を伸ばした田中学騎手(兵庫)とジーガークリスタルが3着に食い込んだ。
「緊張した~! 嬉しいというよりも、安心しましたよ」とホッとした様子の山崎騎手。次の騎乗馬も人気を集めている実力馬なだけに、「優勝に向けて意気込みは?」と話しかけると、「なるべく上位に来れるようがんばります」と控えめの言葉。聞くと「こういうポイント制のレースは、勝ちに行くと、逆に結果が出ないことが多いんです。確実にしっかりと乗らないと」と、思わず納得させられるコメントが返ってきた。
第2戦のヴィクトリーチャレンジは、毎年見応えのあるレースが繰り広げられる2100メートル戦。しかし、この日の川崎競馬場は不良馬場。いわゆる前残りのレースが続いていて、後方からの馬にとっては厳しいコンディションだったようだ。
団子状態になりやすい2100メートル戦の割には、田中騎手のキャバーンを先頭に少し縦長の展開で進んだ。先行集団が向正面半ばを過ぎたあたりで、後方に待機していた1番人気の岡部騎手とシゲルエチゴなどが動きだしたが、前は止まる気配なし。3番手を追走していた御神本騎手とユーコーフラッシュが楽な手ごたえで4コーナーをまわり、直線で先頭に立った。そこに最内を突いて伸びてきたのが、好位で虎視眈眈と狙っていた山口勲騎手(佐賀)とトーセンサミット。直線半ばで御神本騎手を交わし1馬身半差でゴールイン。2着に御神本騎手が続き、3着には中団から徐々に進出してきた山崎騎手とトーセンハリケーンが入った。
総合順位の上位2名は明らかで、「御神本騎手に勝たれなければ優勝だと分かっていましたが、直線は焦りましたね(笑)」と山崎騎手。1着、3着で83ポイントを獲得し優勝に輝いた。「1着が欲しかった!」と残念そうだった御神本騎手が、2着、2着の76ポイントで2位。3位は、13着、1着で53ポイントの山口騎手という結果となった。
2013年に続き、2度目の総合優勝を手にした山崎騎手。表彰式の後、「佐々木竹見カップを地元騎手が勝つことは誇りですね」と力強く語った。昨年は、川崎リーディングを明け渡したうえ、毎年増えていた年間勝利数が初めて前年を下回り、悔しい思いをしたという。「2015年は、一からコツコツと勝利を積み重ね、川崎リーディングを奪還したい」という真っ直ぐな表情は2年前より精悍に見えた。佐々木竹見氏から引き継がれ、これからの川崎競馬を背負って立つ存在の山崎騎手。1年後、さらに成長した姿をこの舞台で見られることを期待したい。
ツイート |
山崎誠士騎手
(川崎)
御神本訓史騎手
(大井)
山口勲騎手騎手
(佐賀)