逃げも差しも決め手は一級品、ゴール前抜け出しダートG連勝
11月3日に名古屋競馬場で開催されるJBCに向けて、今年もRoad to JBCとして重要な一戦に位置づけられた日本テレビ盃JpnII。
地方の雄フリオーソがJBCクラシックJpnI直行予定で回避したために、上位人気は中央勢が独占。フェラーリピサが僅差で1番人気に支持されたが、差なくマコトスパルビエロ、そしてボンネビルレコード、マルブツリードと中央の出走馬4頭が単勝10倍以下のオッズにひしめき合っていた。
しかし、ダートグレード戦線においてもっとも勢いがあると言っても過言でなかったスマートファルコンを、前走のマーキュリーカップJpnIIIで一蹴したマコトスパルビエロのパフォーマンスは、ここに入っても一枚も二枚も上回っていたように思う。カネヒキリやヴァーミリアンクラスが不在でも、次から次へと新しいヒーローが登場してくるのも中央勢の強さだ。
フサイチギガダイヤが果敢にハナを奪う中、フェラーリピサがすかさず続き、その後ろからマコトスパルビエロが追走。「行ければ行ってもいいと思って、スタートだけは気をつけて五分に切ってくれたんですが、ちょっとモタモタしたので岩田君（フェラーリピサ）の後ろから進めました」と手綱を取っていた安藤勝己騎手。
向正面で抜群の手応えでフェラーリピサが先頭にかわると、マコトスパルビエロもぴったりマーク。最後の直線に入るとフェラーリピサが突き放しにかかり勝利を目前にするも、マコトスパルビエロが一完歩ごとに詰め寄っていき、最後は1馬身交わし切った。「4コーナーで一瞬離されたので負けたかなと思ったんですが、相手は止まっていたし、自分の方は確実に伸びてくれたので」（安藤騎手）
「前回から馬が変わりましたね。先行して粘り込むけど、終いが甘くなって切れない競馬もありましたが、今は切れないとは言わせません（笑）。それが大きな成長ですね。それほど見た目は目立つタイプではないんですが、柔らかさがこの馬の良いところです」(鮫島一歩調教師)
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安藤勝己騎手 | | |
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脚元に不安を抱えているために次走はまったくの白紙ということだが、状態を見てJBCも視野に入れていくと言う。逃げても差しても、最後の決め手は一級品。今後のダートグレード戦線でも台風の目になりそうだ。
今年3月のダイオライト記念JpnIIをフリオーソが制して以来、ダートグレード戦線において地方馬の優勝は遠のいている。高くそびえたつ中央勢の壁だが、ビッグレースが本格化するこれからの季節、何とかその壁を打破して欲しいと、願うばかりなのだが……。
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