3度目の挑戦で初栄冠、堂々のレコードで九州産馬の頂点に
九州産馬の頂点を決める競走として、地方オープン・JRA1000万円以下条件により、荒尾競馬場の最高賞金レースとして行われる霧島賞。昨年はテイエムジカッドとテイエムミゴテカのJRA勢が1着同着で優勝を分け合い、残念ながらテイエムミゴテカはそれを最後に引退となったが、もう一方の優勝馬テイエムジカッドは今年4月に荒尾に移籍してA級戦を連勝し、荒尾の大将格として霧島賞連覇を目指して出走してきた。その他にも昨年の霧島賞上位馬や、今年のたんぽぽ賞を勝った3歳馬カシノチェスト、霧島賞トライアルで上位を獲得した馬など、今年も好メンバーが顔を揃える一戦となった。
昨年の霧島賞では1番人気に支持されながら、スタートで出遅れ5着に終わったスズノクロヒョーが今年は互角のスタートから逃げに出て、外からカシノヨウスケが追走。昨年の3着馬で今年は1番人気に推されたテイエムヨカドーは先行する3頭からやや離れた4番手の位置取り。3コーナーでテイエムヨカドーが前との差を詰めにかかったが、「普段の荒尾のレースでは勝負どころとしてはまだ早い位置でしたが、自信を持って行けました」と言う吉田隆二騎手のカシノヨウスケが先頭に立つと、直線では後続を突き放すばかり。2着に押し上げたテイエムヨカドーに4馬身差をつけ、従来のコースレコードをコンマ1秒更新しての圧勝劇となった。
カシノヨウスケは、昨年3歳時にたんぽぽ賞から霧島賞へという九州産馬路線を進み、それぞれのトライアルで勝利を挙げたが、たんぽぽ賞は3着、霧島賞は4着と、重賞タイトルには惜しくも届かずという結果だった。今年は前走でトライアル・えびの特別を制して荒尾での3勝目を挙げ、3度目の九州産馬限定重賞挑戦で初の栄冠に輝いた。
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吉田隆二騎手 | | |
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テイエムヨカドーから7馬身離された3着争いは4頭による接戦となったが、今年は地元荒尾所属として連覇を狙ったテイエムジカッドがわずかに抜け出し、地方最先着を確保した。「前につけた馬がさらにひと脚使ってレコード駆けされると、僕の位置からでは厳しかった」と悔しさを滲ませた村島俊策騎手だが、最後の直線での伸びは、今後荒尾の重賞戦線へ向けて十分に期待ができるレース内容だったといえるだろう。
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