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2009年7月8日(水) 大井競馬場 2000m

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鞍上も驚きの瞬発力、3連勝で3歳ダートの頂点に

 牝馬二冠のネフェルメモリーが直前のアクシデントで回避となり、地元南関東勢はわずか2頭の出走。それでも東京ダービーを直線一気で制したサイレントスタメンが出走し、他地区からは北海優駿のアラベスクシーズ、東海ダービーのダイナマイトボディと、ダービーウイーク勝ち馬は3頭が顔をそろえた。
 しかし今年から枠が1頭増えた中央勢は、いずれもダートで結果を残してきた強力なメンバーで、その6頭が6着までを独占する結果となった。
 勝ったのは、4番人気とやや伏兵視されたテスタマッタ。前走古馬1000万下のダート1200メートル勝ちでここに臨んできた。
 兵庫チャンピオンシップJpnII同様、ゴールデンチケットがハナに立ってペースを握り、中央の有力勢は直後の好位にほぼ一団。それを見る位置の7番手を進んだテスタマッタは、4コーナーで内を突き、直線を向いて外に持ち出すと、前の馬を一瞬のうちに交わして一気に突き抜けた。
 馬場の中央を伸びてきたシルクメビウスが2馬身差で2着。ゴールデンチケットはさらに4馬身離れて3着。1番人気に支持されたスーニは4コーナーで一杯になり6着に沈んだ。
 村山明調教師は昨年厩舎を開業したばかりでJpnI制覇の快挙。テスタマッタには牧場にいるときから乗り込んでいて、開業初勝利をもたらしたのも、この馬だった。もともとは日本ダービーを目指していたという。しかし新馬戦勝ちのあとは2勝目が遠く、矛先をダート路線に変えて2連勝。前走1200メートル戦を使ったのは、折り合いに難があってのこと。前々走のダート初戦で手綱をとっていた四位洋文騎手のアドバイスによるものだったという。
 「距離に融通がきくのがわかったので、秋は武蔵野ステークスからジャパンカップダートを考えています」と村山調教師。
 昨年のこのレースで1、2着のサクセスブロッケン、スマートファルコンに、今年かしわ記念JpnIを制したエスポワールシチーなど、ひとつ上のダート最強世代との対戦が今から楽しみになった。
 一方、残念ながら上位に食い込むことができなかった地方勢。最先着7着のサイレントスタメンは、東京ダービーの勝ちタイムよりコンマ2秒だけ遅いという自身の持ちタイムでは走っているだけに、やはり今年は中央勢の壁がいかにも高かったという結果だろう。

 
岩田康誠騎手
 折り合いが不安だったんですが、先生から返し馬で落ち着かせるようにとのことで、レースでは落ち着いていけて、展開もはまりました。気性が勝っているところが少し難しいところですが、すごい瞬発力でびっくりしました。 
 
村山明調教師
 折り合いさえつけばと思っていたんですが、ここまでうまくいくとは思いませんでした。今回、あまりうしろからにならなかったのは、岩田騎手が考えて乗ったんだと思います。内から抜けてきたのも、さすがに岩田騎手だと思いました。

 
 

 

 

取材・文:斎藤修
写真:いちかんぽ(森澤志津雄、三戸森弘康)、NAR