直線後続を突き放す圧勝劇、ダート路線にニューヒロイン誕生
南関東牝馬クラシック最終戦、関東オークスJpnIIには、今年も中央から強豪たちが名を連ねていた。そんな中、単勝1.3倍の支持を集めたのが、JRAの芦毛馬ラヴェリータ。2歳時にはポインセチア賞でレコード勝ちし、出世レースの昇竜ステークスでも完勝、ダートでは圧倒的なスピードで押し切ってきた。
「こういう馬場(重馬場)だったし、スピードを生かして先行逃げ切りを考えていたんですが、スタートで後手を踏みました」と岩田康誠騎手。勝つ時はすべてハナに行っているが、今回はスタート直後に他馬と接触する不利でバランスを崩したために3番手から進めることになった。
「マイペースで行けたし、一発あるならこれしかないと思った」とアンペアの手綱を取った的場文男騎手の絶妙な逃げで落ち着いた流れに。
「折り合いに気をつけて乗りましたが、(ラヴェリータは)レース運びがうまいしさすがだなと思いました」(岩田騎手)。向正面から徐々にペースを上げ、最後の直線に入ったところで先頭に並びかけると、あとは抜群の反応を見せて後続をグイグイ突き放していく圧勝劇。
距離延長は厩舎サイドとしては気になっていたようだが、ふたを開ければ心配することは何もなかった。「すごいスピードがあって大物感がありますね。牡馬にも匹敵するような素質のある牝馬です。これからもっと強くなると思いますよ」(岩田騎手)。
今後の具体的な予定は未定だが、「これだけ強いのでダート戦を進ませたい」と松元茂樹調教師も言っており、砂のニューヒロインがダートグレード戦線をにぎわしてくれそうだ。
今回、南関東二冠牝馬ネフェルメモリーの参戦がなかったのは残念だったが、いずれ実現するであろう快速牝馬同士の対決を楽しみに待ちたいと思う。
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岩田康誠騎手 | | |
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2、3着にはツクシヒメとアンペアが入り、JRA勢上位独占を阻止。そして地方馬でもっとも支持を集めていたモエレエターナルは6着に終わった。一般的に飼い葉食いが細く体調管理が難しいと言われている牝馬が、体重とコンディションを維持しながら、牝馬クラシックにすべて出走し、さらには羽田盃と東京ダービーにまで顔を出した。クラシックは無冠に終わったが、そのすべてで大崩れなく走り続けたというタフさには頭が下がる。南関東で過去にこのハードローテーションをこなした牝馬がいたかどうかはわかりかねるが、極めてまれではあるだろう。今回はペースが落ち着き展開が向かなかったが、このゴールドヘイロー愛娘の健闘も称えたい。
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