軽快な逃げで長丁場を制す、デビューの地で完全復活
笠松に戻ってきたクインオブクインが完全復活を果たした。
好スタートからハナを奪うと、道中は、ぐいっ、ぐいっ、と首を決まったテンポで深く下げ、まるでおじぎをしているかのような独特な走法で、後続を引き付けての逃げ。松原義夫調教師によると、こうして遊びながら走れるのが、この馬のいいところなのだそうだ。
エーシンアクセランにクビ〜半馬身の差でつつかれながらも、勝負どころの2周目向正面でハミを掛けると、頭を少し高く上げて後続を離しにかかった。あとはクインオブクインのひとり舞台。3〜4コーナーではマヤノグレイシーが一気にまくって2番手まで進出してきたが、クインオブクインの倉地学騎手の手ごたえはまだ楽なまま。直線を向いて追い出されると、後続を寄せ付けずに逃げ切った。
06年のレッドストーンに続いてこのレース2勝目となった倉地騎手は、左手を大きく挙げてガッツポーズ。
クインオブクインは昨年夏、初めてデビューの地・笠松を離れ、北海道に移籍。ところが4戦して7着が一度あるだけであとは二桁着順と、まったく結果を残せないまま笠松に戻ってきていた。そして復帰3戦目のマーチカップこそミツアキタービンにちぎられて3着だったが、前走のスプリング争覇から連勝。しかもこのオグリキャップ記念は、一昨年、昨年と、2年連続2番人気で惜しくも2着に敗れてたが、7歳になった今年は堂々単勝1.8倍という1番人気での勝利となった。
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倉地学騎手 | | |
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松原調教師によると、クインオブクインは夏場はあまりよくないとのこと。なるほど過去の成績を見てみると、3歳時こそ3歳馬限定重賞での2着はあるものの、翌06年はまったく振るわず、07年は休養に充てられていた。おそらくそういう意味での昨夏の北海道移籍だったのだろう。しかしいくら涼しい北海道とはいえ、その効果はまったくなかったということのようだ。
クインオブクインはこれで重賞8勝目。今回の走りを見る限り、7歳ですでに53戦もしているとはいえ、まだまだ衰えはなさそう。次走は未定とのことだが、地元東海地区だけでなく、各地に遠征して、全国の強豪相手に軽快に逃げる姿をこれからも見せてほしいもの。
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