内田騎手の好騎乗で重賞初制覇、高知の快速馬も奮闘
東京シティ盃の名称を東京スプリントに変更し、新たにダートグレード競走として生まれ変わったこの一戦。グレードレースとしては小粒な印象をぬぐえなかった中央勢だが、層の厚さを持ち合わせているのも中央馬の強さでもある。
今回は、テン乗りの内田博幸騎手を配したゼンノパルテノン(5番人気)が7歳にしてうれしい重賞初制覇を成し遂げることになった。
「右トモに難があって使い込めなかったんですが、重賞の1つや2つは獲る力がある馬だと思っていました。今回は休み明け3戦目だったし自信はありました」と、騎手時代はナイスネイチャの主戦としてもお馴染みだった松永昌博調教師。ゲートだけ気をつけてくれと内田騎手に告げ、あとは見守っていたという。
537キロの雄大な栗毛の馬体は、カクテル光線に映え渡っていた。「返し馬の感じは良かったけど、この相手でどうかな、と。でもゲートもうまく出られたし、大井コースだから前めにつけたかったけど、楽に先頭の後ろにつけられました。一番流れに乗れたんじゃないかな。斤量差もあったけど、すべてがうまくいきました」(内田騎手)。
好枠を生かし3番手からレースを進めると、直線では自慢の末脚を存分に発揮。外からガブリン、内からフジノウェーブが追いすがるも、先頭でゴール板を通過した。
「手応えもあったし伸びていたから、先頭の馬をかわした瞬間、後ろの馬たちにはとらえられることはないだろうと思いました」(内田騎手)。
そして残り100メートルまで先頭で奮闘していたのが、高知から参戦したポートジェネラルだった。前走の黒船賞JpnIIIでも強力なメンバーを相手に、果敢にハナを奪い6着に健闘するなど片鱗は見せていた。今回は4着に入り、黒船賞3着のフサイチバルドル同様に、高知に明るいニュースをもたらす結果になったと言えよう。
|
|
内田博幸騎手 | | |
| |
| |
「左前脚の裂蹄も良くなっていて、いい意味で黒船賞の状態をキープしていたと思います。4コーナーでもまったく追っていないし手応えは良かったですから、夢見ましたわ。いずれチャンスはあると思って……」と雑賀正光調教師。今後もかきつばた記念JpnIIIやさきたま杯JpnIIIなどを視野に入れながら、全国の舞台に挑戦していく予定だという。
「これも、ケイエスゴーウェイのお陰なんですわ。全国に遠征しに行くことで、いろんな人と知り合うこともできたし、うちらが遠征に慣れもることもできましたから。あの馬の、お陰なんですわ」(雑賀調教師)。
|