向正面早め先頭で突き放す、会心の勝利でガッツポーズ
久しぶりに強いラヴェリータが戻ってきた。
昨年3歳時、関東オークスJpnIIから古馬初対戦のスパーキングレディーカップJpnIIIを連勝。そのレースぶりから牡馬とも互角以上に戦えるのではという期待もあったが、その後は勝ち星から遠ざかった。
課題はスタート。1番人気に支持された昨年末の兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIでは、スタートがよくなかったばかりか行き脚もつかず、1周目のスタンド前では後方集団に置かれてしまった。最後の直線では鋭い脚を使って3着に追い込んだが、人気や実力からすれば関係者にとってもファンにとっても不満の残る内容だった。年明けのエンプレス杯JpnIIは、久々に牝馬同士のレースということもあり再び1番人気。スタートこそ互角だったものの、最後はブラボーデイジーとの一騎打ちで競り負けての2着。
さすがに今回は牡馬との対戦ということもあり、人気を落とした。しかし岩田康誠騎手は、「前走(エンプレス杯)は、いろんなところで脚を使って負けてしまって……」と、相当悔しい思いをしていたようで、「今回は内枠なので出遅れても行ってやろうと思っていた」と。
今回もスタートでわずかに後手を踏んだものの、それでも内枠を利して3番手の絶好位につけた。逃げていたラストチャンピオンが向正面で後退すると、ラヴェリータが一気に先頭へ。追ってきたのは断然人気のアドマイヤスバル。しかし最後まで差は詰まらず、ラヴェリータが2馬身差をつけて押し切った。ゴールの瞬間、岩田騎手は会心のガッツポーズを見せた。
「ゲート練習は、ちょっとかわいそうだと思うほど厳しくやってきました」と松元茂樹調教師。その影響で日程が合わずに牝馬同士のクイーン賞JpnIII(12月9日・船橋)やTCK女王盃JpnIII(1月20日・大井)には使えなかったという。今回はその成果もあり会心の勝利となったが、「ゲートはまだまだ油断できません」と松元調教師。「スタートさえよければ、もっと楽にちぎって勝ちますよ」と岩田騎手。次走に予定されているマリーンカップJpnIII(4月14日・船橋)では、さらに強いレースを見せてくれるかもしれない。
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岩田康誠騎手 | | |
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一方、地方勢ではマルヨフェニックスの4着が最先着。中団を追走し、3〜4コーナーでは2着争いには絡めるかという勢いもあったが、結局はラヴェリータから2秒も離された。08年の帝王賞JpnI(4着)など一線級相手でも好走歴があるだけに、いつかダートグレードのタイトルをという期待はあるが、残念ながら今回もその壁を破ることはできなかった。
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