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2010年2月24日(水) 川崎競馬場 2100m

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ダート2戦目の地方初挑戦、芦毛2頭のマッチレースを制す

 「最後まで(ラヴェリータに)一度も前に出られないで頑張ってくれました」と3番人気のブラボーデイジーに騎乗したテン乗りの武豊騎手。昨年の福島牝馬ステークスGIIIを優勝した重賞ウイナーだが、ダート戦は2年ぶりで、地方コースへは初挑戦。砂のヒロイン・ラヴェリータが単勝1.4倍という断然の1番人気で立ちはだかっていたのだが、そのラヴェリータに一度も交わされることなく、クビ差ねじ伏せた。
 「(武騎手には)ハナに行ってもいいし、好きに乗っていいと伝えました」と音無秀孝調教師。
 好ダッシュを決めて2番枠からすんなりハナに立とうとしていたブラボーデイジーの外から、逃げ馬シスターエレキングが果敢に交わし切り先頭に立つと、ブラボーデイジーは2番手から追走。「先行脚質なので逃げか2番手がいいと思っていたので理想的でしたね。1周目のスタンド前ではラヴェリータがすぐ近くにいたので、相手は気にせず自分から動こうと思っていました」(武騎手)。
 2周目の2コーナー過ぎにはシスターエレキングを交わして先頭に立つと、すかさずラヴェリータも上がっていき、早くも芦毛2頭のマッチレース。
 「アタマひとつ分はギリギリ出ていたので、我慢してくれと祈る思いでした」と、レース後に武騎手は安堵の表情で胸をなで下ろしていたが、砂のヒロインをダート経験2度目の馬が、同斤量(55キロ)で打ち破ったのは大きな意味があったと思う。
 勝ちタイムの2分14秒5(良馬場)は、2100メートルで施行されるようになって12回目だが、99年の覇者ファストフレンド(2分14秒2)に次ぐ2番目に速いタイムだった。
 一方、ラヴェリータに騎乗した岩田康誠騎手は「外を回った分、無駄な脚を使いすぎた。5馬身くらいぶっち切って勝てるかと思ったんだけど……」。砂のヒロインの巻き返しに期待したい。

 
武豊騎手
  返し馬でのダートの走りは良かったです。芝でもダートでもやれる力のある馬ですね。相手も強い馬なのでヒヤヒヤしましたが、頑張ってくれました。(最後の直線で)岩田君が叫んでいてうるさかったです(笑)。  
 
音無秀孝調教師
 
  スタートが良かったのでハナに行きましたが、相手が来たら行くのを止めて臨機応変に乗ってくれたのも良かったです。愛知杯(2着)でも粘り込んだことがあったので2000メートル前後はこなせると思っていました。

 
 

 「一度ダートを使った時より今は力をつけているし、調教の走りを見ていても、クロフネ産駒だしこなせないわけはないと思って挑戦しました。ただ、今日は勝ち負けを考えていなかったので、この後は中山牝馬ステークスGIII(芝1800メートル)を予定していましたが、ダートへの路線変更も踏まえて、これから馬とオーナーと相談します」(音無調教師)。
 新しいスターを次々に生み出すのも中央勢の底力。牝馬ながらも530キロ台の迫力たっぷりのボディに凄まじいくらいの勝負根性を持ち合わせたブラボーデイジー。今後のダート牝馬戦線の展開が非常に楽しみになってきた。

 

取材・文:高橋華代子
写真:三戸森弘康(いちかんぽ)、NAR