直線並ぶ間もなく抜き去る、条件揃った8歳馬が完勝
ダートグレードの短距離路線では、09年最後のレースとなる兵庫ゴールドトロフィーJpnIII。注目を集めたのは、3歳牝馬ラヴェリータ。夏の関東オークスJpnII、スパーキングレディーカップJpnIIIは圧巻のレースぶりで連勝したが、その後は芝に挑戦してみたり、格段に強いメンバーとの対戦だったりで、残念なレースが続いていた。しかし今回は地方で行われるダートのJpnIIIだけに、強敵は限られる。ハンデ戦の54キロも恵まれた感じだ。さらには鞍上がコースを知り尽くしている岩田康誠騎手となれば、単勝1.5倍の圧倒的1番人気もうなずける。
トップハンデ58.5キロのヴァンクルタテヤマが一気に大外からハナを奪い、ポートジェネラルが続く。1〜2コーナーでリミットレスビッドが2番手に押し上げ、トーセンブライトが4番手を追走した。ラヴェリータはと見れば、スタートでダッシュがつかなかった上に、行き脚もつかず、1コーナーを回るあたりでは後方4番手まで位置取りを下げてしまった。
直線を向いたところでリミットレスビッドがヴァンクルタテヤマを交わし先頭に立ちかけたところ、直線半ばでトーセンブライトが並ぶ間もなくこれらを交わし去った。向正面から追い通しだったラヴェリータは、園田の短い直線で目の覚めるような末脚を発揮したが、2着のリミットレスビッドに半馬身及ばすの3着。8歳馬と10歳馬が、人気を集めた若い3歳牝馬を完封する結果となった。
ラヴェリータは心配された課題のスタートが今回もうまくいかず、レースの流れに乗れないままだった。ふわっとしたスタートで他馬より1馬身ほど遅れ、「そのあとはまったく行く気を見せなかった」と岩田康誠騎手は首をかしげるばかり。それでもゴール前で見せた一瞬のキレは、この馬の非凡な能力を示すものだった。
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安藤勝己騎手 | | |
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勝ったトーセンブライトは、3月の黒船賞JpnIIIを思い起こさせるような強い勝ち方。時計のかかる地方の馬場、そしてコーナーを4回まわる小回りの1400メートルがこの馬には向いているのだろうと加藤征弘調教師。
安藤勝己騎手は、前日の名古屋グランプリJpnIIに続いて、連日のダートグレード制覇。そして中央の4頭が上位4着まで独占という結果も前日と同じ。北海道2歳優駿JpnIIIから全日本2歳優駿JpnIまで、地方が舞台のダートグレードでは地方馬が5連勝と勢いがあったが、この2戦はあらためて中央勢に層の厚さを見せつけられる結果となった。
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