好ダッシュで長丁場を逃げ切る、充実のダートG3勝目
ヴァーミリアンがGI(JpnI)8勝の新記録を達成したJBCクラシックJpnIから2カ月弱。そのヴァーミリアンこそいないものの、直線で大接戦を演じたマコトスパルビエロ、ワンダースピードが、再びこの名古屋の地で対決。2頭の馬連複が1.7倍と、注目を集めることとなった。
マコトスパルビエロが外枠から好ダッシュで一気にハナを奪うと、一旦は行く気を見せたワンダースピード、ヒシウォーシイがすぐに控えた。1周目の向正面でマイネルアワグラスが押し上げたが、前に並びかけるまでにはいかず、マコトスパルビエロは終始マイペースでレースを引っ張った。
ギャンブルオンミー、ダイナマイトボディら地方勢も好位を追走していたが、いつもどおり後方追走のメイショウトウコンが2周目向正面からロングスパートで先行集団に迫ると、3〜4コーナーでは中央勢4頭の争いに絞られた。
直線でも単独先頭のマコトスパルビエロ。ゴール前でワンダースピードが差を詰めたが、半馬身まで迫ったところがゴール。3着のマイネルアワグラスは1馬身半離され、やはりJBCクラシックで好勝負を見せた2頭がここでも力のあるところを見せた。
「手ごたえもよくて、だいじょうぶだろうと思った」というマコトスパルビエロの安藤勝己騎手に対し、ワンダースピードの小牧太騎手は「JBCのときと同じ。前を楽に行かせすぎた。この馬も伸びているんだけど」と悔しそうな表情を見せた。ただ、無理に競りかけていけば共倒れになる危険性が高く、ダッシュ力があり、最後まで粘れるマコトスパルビエロのダート中長距離での能力が一枚上手だったということだろう。
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安藤勝己騎手 | | |
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マコトスパルビエロは、マーキュリーカップJpnIII、日本テレビ盃JpnIIに続いてダートグレード3勝目。今年前半は、平安ステークスGIII(3着)、東海ステークスGII(4着)とワンダースピードに力及ばずという結果だったが、後半になって力関係が完全に逆転したと見てよさそうだ。
中央の4頭が上位を独占し、地方勢の最先着はコパノカチドキの5着。4着のメイショウトウコンからは大差がついていた。道営記念まで重賞3連勝、堂々のホッカイドウ競馬古馬チャンピオンとして遠征してきたが、GI・JpnI戦線でも好勝負の実力がある中央勢には力の差を見せつけられる結果となった。
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