オークス以来1年半ぶりの戴冠、アイドルから女王へ
競馬界のアイドルホース・白毛のユキチャンが、中央競馬から地方競馬に移籍して2戦目を迎えた。ユキチャン目当てに多くのファンがレース前からパドックにスタンバイし、相変わらずの人気ぶりだ。
前走のTCKディスタフは、転厩初戦や休み明け、牝馬ながら58キロを背負う過酷な条件の中でも、差のない3着に入ったことは改めて地力の高さを証明したと言える。一度使っての上積みは歴然で、前走より3キロ軽い55キロという条件も、ユキチャンを1番人気に押し上げていた。
「スタートはうまく出てくれました。先生の指示で包まれないようにということだったので、理想の競馬ができました」と今野忠成騎手。ユキチャンは4番手の外めを追走し、徐々に進出。重賞にしてはゆったりした流れだったと他陣営の騎手たちが振り返る中、2番手にかまえていた森泰斗騎手のテイエムヨカドー(52キロ)が3コーナー手前から押し上げ、ユキチャンもその外からすかさずマーク。「4コーナーを回っても手応えはありました。前回は休み明けでバテてしまったので、今回は気を抜かせずに追いました」(今野騎手)
外からユキチャンが突き放しにかかると、内からテイエムヨカドーも必死に抵抗し、2頭のマッチレース。「直線がこんなに長く感じたことはない」とユキチャンの厩舎スタッフは振り返っていたが、最後はユキチャンが力でねじ伏せる形で、クビ差先着したところがゴールだった。「最後の最後まで我慢をしてくれて、ホッとしました」(今野騎手)
かわいい名前とは裏腹に、500キロ近いパワフルボディから繰り出すパワーは男勝り。追ってバテないユキチャンの良さが、存分に生きる結果になったように思う。
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今野忠成騎手
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「いつもたくさんの方に応援をしてもらって、皆さんの期待に応えられてホッとしています。これで、アイドルホースから女王になれたかな(笑)」と、安堵の表情で胸をなで下ろしていた山崎尋美調教師。
同じ金子真人オーナーのロッキーアピールを再生したことでも知られる山崎厩舎。仲間入りをしたユキチャンも、昨年の関東オークス以来約1年6カ月ぶりとなる待望の勝利に導いた。
2着にはテイエムヨカドー、3着にはパノラマビューティが入り、中央から移籍組の活躍が目を引いた。南関東は牝馬重賞が充実していることでも知られている。このクラスでも、賞金面を気にすることなく、予定通りのローテーションを組めることは最大のメリット。今後もこういったケースが増えていきそうだ。
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