着差は半馬身も余裕の4連勝、目標は秋の大一番
前走の佐賀記念JpnIIIのレース後に表明したとおり、スマートファルコンがここに駒を進めてきた。昨年の当レースの覇者でその後ジャパンカップダートGI、名古屋グランプリJpnIIと連続2着のメイショウトウコン、名古屋グランプリJpnIIと平安ステークスJpnIIIを連勝中のワンダースピードと、今回は一気に相手も強化されたが、目下ダートグレード3連勝中のスマートファルコンの評価はそれを上回る断然の支持。レースでもその人気に応える走りを見せた。
スタートでダッシュを決めたスマートファルコンは、ワンダースピードの小牧太騎手が積極的に手綱を押して2番手に上がるのとは対照的に悠々と先行。先頭に立ったスマートファルコンの岩田康誠騎手が「状態が良すぎていつも以上に馬が行きたがっていて、ちょっとでも油断すればぶっ飛んで行きそうだった」と振り返るように、道中は終始掛かり気味。他の10頭とのレースではなく、必死になだめる岩田騎手とスマートファルコン自身との戦いとなった。
2周目を迎えてもスマートファルコンの行く気勢は収まらなかったが、向正面でメイショウトウコンがスパートを開始、ワンダースピードにもゴーサインが出ると、スマートファルコンも抑えていた行く気を開放。トップスピードに乗ったスマートファルコンに食い下がったのはワンダースピードのみで、直線を向くとメイショウトウコン以下の後続は離れる一方。ゴール前でワンダースピードに半馬身差まで詰め寄られるも、それ以上は差が詰まらず、着差以上に強い内容での勝利となった。3着にはメイショウトウコンが入り、人気順の結果とはいえ3連複110円、3連単320円という堅い配当となった。
スマートファルコンはこれでダートグレードは4連勝。道中の折り合いを課題としながらも、岩田騎手、小崎憲調教師ともに着実な成長の手応えを感じている。今後はかしわ記念JpnI、帝王賞JpnIへと向かうのか、小崎調教師に水を向けると「まだ大きいところは我慢です。もう一度名古屋を使ってJBCを目標にします」と5月のかきつばた記念JpnIII出走を明言。「距離はどちらでも行ける能力はありますので、見極めの意味も考えて」(小崎調教師)と視線の先にJBCを見据える。大一番に向けての布石が活きる日が今から待ち遠しい。
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岩田康誠騎手 |
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一方、地方勢ではベストタイザンが4着、チャンストウライが6着と兵庫勢が健闘。「かなり力をつけています」と語るのはベストタイザンの手綱を取った下原理理騎手。ゆっくりとながら復調気配を見せるチャンストウライの主戦でもある同騎手にとっては、しばらく嬉しい悩みが続きそうだ。
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