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2009年3月20日(祝金) 高知競馬場 1400m

 

厳しい流れで実力発揮、直線持ったまま5馬身差圧勝

 激しいレースだった。勝負どころの3コーナー手前では、メイショウバトラー、ヴァンクルタテヤマらが先頭に迫って抜け出そうかという勢いだったが、そこに満を持して中団から一気に進出してきたのが断然人気のフェラーリピサだった。4コーナーを回って先頭。やはりこの馬か、と思ったところ、さらに抜群の手ごたえで進出してくる馬がいた。トーセンブライトだ。3〜4コーナーでは馬群の中で前の馬に乗りかかりそうな勢い。外に持ち出し、直線入口でフェラーリピサに並びかけると、ほとんど持ったままであっという間に突き放した。
 前走フェブラリーステークスGIでは、レコード決着からコンマ4秒差と好走していたフェラーリピサは、ここでも堂々のレースぶりを見せたが、それを上回る勢いで突き抜けたのがトーセンブライトだった。
 その圧倒的なレースぶりには驚かされたが、一番驚いたのは乗っていた安藤勝己騎手だったようだ。「持ったまま何もしなくても、いいところに行ってしまった」と。
 トーセンブライトは折り合いに難のある馬で、今回は緩みのない激しい流れがこの馬の能力を引き出す結果となった。
 そして今回、その激しいペースを演出し、直線でも見せ場をつくったのが地元高知勢だった。
 ハナを叩いたポートジェネラルは、1〜2コーナーを回るところで徐々に後続を引き離し、3〜4馬身ほどの差をつけて単騎での逃げ。中央の一線級を相手に一歩も引かないスピードを見せ、直線を向いても先頭で粘っていた。

 
安藤勝己騎手
 3〜4コーナーでは、持ったままであっという間にいいところにつけていました。外に出したら楽にフェラーリピサに並びかけました。直線を向いたところでは手ごたえがよかったので、これは楽勝だなと思いました。 
 
加藤征弘調教師
 前が速くなってこの馬の展開になりました。名古屋大賞典にも登録していましたが、距離的に折り合いが心配だったので、こちらの1400メートルを使って正解でした。フェラーリピサとは相性がいいですね。
 
 


 その直線、さすがに勝ち馬の勢いには及ばなかったものの、その勢いに吸い寄せられるように連れて伸びてきたのがフサイチバルドル。フェラーリピサに2馬身差まで迫り、追ってきたアルドラゴンをアタマ差でしりぞけ3着を確保した。
 第1回の黒船賞をリバーセキトバが制して以降、地元高知勢としては、ともすれば馬場を貸しているだけというような状態が続いていたが、今回はポートジェネラルとフサイチバルドルが存在感を示した。
 第1回のころとは比べ物にならないほどダート路線の層が厚くなっているだけに、今回の地元高知勢の好走は、大きな自信になったに違いない。

取材・文:斎藤修
写真:トム岸田


 
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