格の違いを見せつけ、持ったまま4馬身差圧勝
地元船橋コース、ほかにGI(JpnI)勝ち馬がなく、フリオーソにとっては負けるわけにいかないメンバー構成。むしろそれこそがプレッシャーになるのではとも思ったが、フリオーソは格が違うと言わんばかりのレースを見せてくれた。
「落ちないように、馬のじゃまをしないように乗っていれば勝てると思っていました」とは、レース後の戸崎圭太騎手のコメント。相当の自信を持って臨んでいたようだ。
外枠ながら絶好のスタートを切ったフリオーソは、無理に競りかけようという馬もなく楽に先頭へ。やや出負けしたマイネルアワグラスも好位にとりついた。ペースは明らかにスローで、一団となった2番手集団は、中央勢に加えルースリンド、ドリームスカイなどの上位人気馬が入れ代わり立ち代わり順位がめまぐるしく動いた。
レース中盤、1ハロンのラップが13秒9と極端にペースが落ちたあたりで、たまらずルースリンドが動いた。連れてロールオブザダイス、コウエイノホシも動き、2コーナーを回ったあたりではこの3頭がフリオーソに並びかけ、先頭を奪おうかという勢いを見せた。しかしそれもほんの一瞬。フリオーソは再び単独で先頭に立った。
直線を向いてもフリオーソは先頭。鞍上の戸崎騎手はちらりとうしろを振り返り、後続の手ごたえを確認したところで、おそらく勝利を確信しただろう。あとはムチを入れることも、追うこともなく、まさに馬につかまっているだけといった様子で、後続を楽々と突き放した。
道中2番手から何度かフリオーソに競りかけようとしたロールオブザダイスは直線で脚色が鈍り、代わってマイネルアワグラスが2番手に上がったものの、最後は流すようにゴールしたフリオーソからは4馬身も離れていた。
|
|
戸崎圭太騎手 | | |
| |
| |
単勝110円が示すように、おそらく多くのファンがフリオーソの勝利を信じていただろう。しかし、これほど次元の違う勝ち方をすると思っていた人はどれほどいただろうか。
今回パドックから話題になっていたのが、フリオーソが初めて着用したピンクと白のメンコ。川島正行調教師によると、以前から厩務員が用意していたのだが、メンコを変えたときに負けるわけにはいかないので、ここで使ったのだと。それほど自信を持って臨んでいただけに、もしかして川島調教師はこの圧勝すらも予想していたかもしれない。
このあとフリオーソは、かしわ記念から帝王賞へ。再び対戦することになるであろう中央のトップホースを相手に、4年連続のGI(JpnI)タイトルを目指すことになる。 |