第1戦 ファイティングジョッキー賞
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第2戦 エキサイティングジョッキー
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第3戦 チャンピオンジョッキー賞
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レースも総合ポイントも大接戦、ミスターピンクが3度目の優勝
通算2000勝以上のトップジョッキーによるこの対戦も、迎えて17回。かつては2000勝ジョッキーというと、ほんの一握りの存在。しかし近年では、全国的に上位の騎手に勝ち星が集中する傾向にあり、地方競馬の現役2000勝ジョッキー(平地)は、なんと30名にもなっている。そしてJRAにも、地方から移籍した6名と武豊騎手がいる。
とはいえ、その価値が軽いものになったということでは決してない。2000という途方もない勝ち星を挙げるための努力や苦労、そして何よりその騎乗技術によって得た勝ち星だけに、大いに賞賛されるべきだろう。
このシリーズ最初の見せ場は、レースに先立ってスタンド前のコース上で行われる騎手紹介セレモニー。ここでの主役は騎手というより、むしろその騎手たちの経歴を紹介していく吉田勝彦アナの名調子といってもいいだろう。
そこで一瞬、その主役の座を奪ったのが、こうしたイベントには欠かせない存在のミスターピンク・内田利雄騎手だ。この時期の寒さゆえ、ジョッキーたちは全員勝負服の上に主催者が用意した黄色のコートを着用していた。吉田アナは内田利雄騎手のところで「今はピンクの勝負服がお見せできないのが残念ですが」と紹介。すると内田利雄騎手は、すかさずコートの前をパッと開いて見せ、ファンの歓声と笑いを誘ったのだった。
迎えた第1戦。好位追走の内田利雄騎手がいい手ごたえでラチ沿いから抜け出す構えだったが、さすがに腕達者同士の厳しい戦いはそれを許してくれず、割って抜け出すスペースはなかなかできなかった。そして外から馬群が一気に押し寄せ、8着馬までが、なんと0秒3差のうちにゴールする激戦。わずかに抜け出したのは、高知の西川敏弘騎手。「まわりの脚いろはわかたので、直線で勝てるかなと思いました」と冷静だった。
この第1戦だけでも、見に来てよかったと思わせる見ごたえのあるレースとなった。
第2戦は、第1戦で悔しい思いをした内田利雄騎手のワンマンショー。ハナを奪った内田博幸騎手の2番手を追走すると、4コーナーから直線では迫ってくる後続の脚いろを確かめながら余裕の手ごたえで抜け出した。「馬が仕掛けどころを知っていたので、4コーナーからは楽でした」と。
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総合優勝 内田利雄騎手 (浦和) | | |
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そして最終戦。後続を離して逃げた川原正一騎手が「なにもかもうまくいった」と会心のレース。ゴール前では岩田康誠騎手に迫られたものの、クビ差でしのいで逃げ切った。
しかし注目されたのは、第2戦までのポイントで1位の西川敏弘騎手と、2位の内田利雄騎手による総合優勝争い。向正面で西川騎手が2番手、直後に内田騎手がつけ、3コーナーからは馬体を併せての叩き合い。直線ではうしろから来た岩田騎手に交わされたものの、内田騎手が西川騎手を1馬身半差で振り切って3着を確保した。
結果、内田、西川両騎手が43ポイントで並び、最終戦の着順によって内田利雄騎手が優勝。もっとも悔しい思いをしたのは、最終戦2着で、総合3位となった岩田騎手だろう。もし差し切っていれば、3名が43ポイントで並び、最終戦の着順で逆転優勝となるところだった。豪快な追い込みは見事だったが、なんとも大きなクビ差だった。
「(3勝して)完全優勝も狙っていたんですけど」と笑顔の内田利雄騎手にとっては、このシリーズ単独最多となる3度目の総合優勝となった。
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