トライアル勝ち馬同士の一騎打ちは、生粋の九州産に軍配
九州産の3歳馬による交流戦は、「テイエム」軍団が5頭、「カシノ」軍団が3頭、さらに「マルシゲ」が1頭と、九州でなじみの冠号がズラリと顔を揃える一戦となった。
ここ3年は1番人気が連対できないという波乱傾向のレースだが、果たして今年も、その波乱はスタートで待っていた。逃げると予想された1番人気のサイレントビートが躓いたような格好で出遅れ、後方から。好スタートから先手を奪ったのはカシノチェストで、カシノレオンが差なく続き、6枠2頭「カシノ」の同じ勝負服がレースを引っ張った。
カシノチェストの逃げは快調で、中団追走のテイエムビビッドが3〜4コーナーでするすると内を通って進出すると、直線ではカシノVSテイエムの叩き合いとなった。
カシノチェストは最後までハナを譲らず、テイエムビビッドをクビ差でしりぞけた。2番人気のフォーシーズンゴーも差を詰めてきたが3/4馬身差の3着だった。
勝ったカシノチェストは中央では結果を残していなかったが、荒尾で3着のあと2連勝。天間昭一調教師によると「夏に小倉で芝を使っていたころは、ソエが出て力が発揮できなかった。芝のほうがよさそうな気がするので、桜花賞トライアルを使おうかと考えています」と。
惜しかったのは2着のテイエムビビッド。98年のシンセイマーク(この年は佐賀競馬場での開催)以来11年ぶりの荒尾所属馬によるたんぽぽ賞制覇に、もう少しのところで届かなかった。「最後は馬が一杯になってたんですけどね、あそこまでいったら、勝ちたかった」と悔しがっていたのは村島俊策騎手。昨年9月の霧島賞では、中央のテイエムジカッドで直線一気の追い込みを見せ同着優勝を果たしていただけに、九州産の重賞連勝といきたかったところだろう。
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西田雄一郎騎手 | | |
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終わってみれば、トライアルのノカイドウ特別、ミヤマキリシマ特別の勝ち馬同士の決着。中央所属馬は500万下という条件だけに、すでに中央で勝っている馬はトライアルを使うことはできない。そうした期待馬にとっては荒尾初出走となるケースが多く、今回人気となった2頭、サイレントビート、フォーシーズンゴーは、まさにそのパターンだった。
近年、このたんぽぽ賞、そして古馬の霧島賞ともに、北海道で種付けしてきて九州で生産する、いわば“持込”九州産の活躍馬も少なくない。カシノチェストは、父ダンツシアトル、母の父マークオブディスティンクション、ともに九州に繋養されていた種牡馬で、母のカシノブラボーも当然九州産。生粋の九州産馬による勝利となった。 |