先を見据えたレース選択、JpnIIIのここも逃げ切り圧勝
スマートファルコンの陣営は、なんと慎重にレースを選ぶことだろう。JpnIIやJpnIIIを連勝したなら、ではJpnI(GI)に挑戦してみようか、と欲が出そうなものだが、登録のあった川崎記念JpnIは回避し、再びJpnIIIの佐賀記念に出走してきた。しかも、11日後に行われるフェブラリーステークスGIには登録すらしていないというのだから驚いた。
2番人気のクリーンは今回が重賞初挑戦、3番人気のロールオブザダイスは前走平安ステークスが重賞初出走で11着という実績だけに、JpnII・IIIのダートグレード計3勝に加えJpnIで2着2回というスマートファルコンの実績は断然。当初登録のあったエスポワールシチー(平安ステークスGIIIを1番人気で2着)が回避したこともあり、抜けた1番人気となった。
レースも一方的なものだった。スマートファルコンがすんなりとハナを奪うと、クリーン以下の中央勢や連覇を狙うチャンストウライを従え、マイペースの逃げ。ペースを落としたところでは、掛かりそうになるのを岩田康誠騎手が必死に抑えるような場面もあった。しかし3番手にいたロールオブザダイスが3コーナー手前で仕掛けてペースが上がると、もはや抑える必要はなくなった。軽快な走りで後続を突き放しにかかかり、直線を向くと軽く追い出されただけ。おそらくムチは一発も入れられなかったのではないだろうか。2着のロールオブザダイスに楽々と4馬身差をつけての圧勝となった。
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岩田康誠騎手 | | |
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スマートファルコンが慎重にレースを選んで使われているのは、目先のレースにこだわらず、先々を見据えてのことのようだ。次走は黒船賞か名古屋大賞典のどちらかとのこと。
「今年はJBCが名古屋ですよね。コースを経験しておくために、名古屋大賞典になるかもしれません」(小崎調教師)というコメントからもそのことがうかがえる。
そして地方勢はといえば、昨年レコード勝ちのチャンストウライが最先着の5着。九州では無敵のワンパクメロが6着で地元最先着。地方勢同士では実力どおりの順番だが、中央の一線級とは、あらためて力の差を感じさせられる結果となった。 |