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2008年12月25日(木) 園田競馬場 1400m

 

ハンデも出遅れも関係なし、直線楽に突き放して4馬身差圧勝

 年末に行われるスプリントのダートグレードとして定着したこのレースだが、例年と状況が異なるのは、約2カ月前に同じ舞台でJBCスプリントJpnIが行われていたということ。
 そのJBCスプリントからは5頭が参戦。勝ったバンブーエールが抜け、2着だったスマートファルコンがなんと単勝元返しの1番人気。地方最先着の3着だった地元のアルドラゴンが2番人気で、この2頭の馬連複が1.7倍と圧倒的な支持を集めた。
 4コーナーポケットからのスタートは、スマートファルコンがつまづきぎみに出て後方からという波乱の幕開け。しかしそれは、結果的にスマートファルコンの強さをさらに際立たせるものでしかなかった。1コーナーを後方3番手で回ると、向正面からじわじわと進出を開始。3〜4コーナーで先頭をうかがうと、直線では楽に後続を突き放し、2着のアルドラゴンに4馬身という決定的な差をつけた。
 JBCスプリントでは、スマートファルコン56キロに、アルドラゴンが57キロで、2頭の着差は2馬身だった。そしてハンデ戦の今回は、それぞれ57.5キロ、56キロと、斤量面ではアルドラゴンが圧倒的に有利になったはずが、逆に着差は4馬身に広がった。

 
岩田康誠騎手
 つまずいて出遅れましたが、折り合いだけ気をつけて、馬の能力を信じて乗りました。長くいい脚を使ってくれて、必死に追ったら4馬身も差がつきました。レースを使っているうちに馬がおっとりしてきたし、今回は気分よく走っていました。 
 
小崎憲調教師
 出遅れたのにはびっくりしました。でも、岩田騎手がコースのことはよくわかっているし、3〜4コーナーではいい位置まで来ていたので安心して見ていました。浦和記念のあと、調子がよかったのでここを使ったのですが、今回は賞金を加算できたのが大きいですね。
 
 

 岩田康誠騎手は勝因のひとつに、馬がおっとりしてきて、気分よく走っていたということを挙げていた。そういえば、白山大賞典JpnIIIを勝ったときなどは、岩田騎手は行きたがる馬を押さえるのに必死だった。今回、3歳馬としては決して楽ではない負担重量でありながらも圧勝となったのは、やはりそのあたりが要因なのだろう。
 スマートファルコンはこのあと一旦牧場で休養とのこと。距離の守備範囲が広いこともあり、将来の活躍がますます楽しみになった。
 そして中央勢上位独占の一角を崩し、2着に食い込んだのは、やはりアルドラゴン。兵庫移籍後は惜しいところでグレードタイトルに手が届いていないが、相手関係次第では十分にチャンスは巡ってきそうだ。

取材・文:斎藤修
写真:桂伸也


 
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