ライバルの連覇を封じる逃げ切り、3年連続JpnI制覇の快挙
例年、東京大賞典からの一連のダートJpnI(GI)路線で活躍してきた馬たちが集結する、この帝王賞JpnI。しかし今年、連覇を狙うボンネビルレコード以外の中央勢は、ワンダースピードが昨年のジャパンカップダートGIに出走(9着)したほかはダートJpnI(GI)の経験がなく、やや小粒なメンバー。さらに武豊騎手のスウィフトカレントが競走除外となった。
そうなれば、さすがにJpnI馬の力は違っていたという結果となった。
1番人気に推されたフリオーソは、好スタートからすんなりとハナに立つと、「折り合いに専念して乗りました」(戸崎圭太騎手)というとおり、向正面では後続を2〜3馬身離して快調な逃げ。直線を向いてもフリオーソの行き脚はまったく衰えず、直線外から追い込んできたボンネビルレコードに1馬身半差をつけてゴール。「逃げるが勝ち、という今日の作戦がピタリとはまりました」と川島正行調教師が会心の笑顔で語ったとおり、まったく危なげのない逃げ切り勝ちだった。
ボンネビルレコードも持てる力は発揮した。道中は一団馬群の後方という位置取りも、3〜4コーナーで馬群をさばいて進出。直線ではメンバー中唯一の上がり36秒台で追い込んだ。「前の馬にあの上がりを使われたら仕方ない」と的場文男騎手。後方から直線で脚を使うこの馬にとっては、フリオーソにマイペースで逃げられては厳しい展開になったといことだろう。
ボンネビルレコードとともに進出したコウエイノホシが半馬身差2着、4コーナーで早めにフリオーソの直後まで進出した笠松のマルヨフェニックスも粘ってクビ差4着と、地方勢の健闘が目立つ一戦でもあった。
勝ったフリオーソは、全日本2歳優駿、ジャパンダートダービーに続き、デビューして以来3年連続でのJpnI制覇を達成。
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戸崎圭太騎手 |
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思えばNARグランプリ2007の年度代表馬に選ばれたとき、今年のドバイのことを川島調教師に尋ねると「もう少し成長して、それは来年の目標にしましょう」と語っていたのだが、秋は中央挑戦から東京大賞典JpnI、そして来年のドバイへと、満を持して世界を視野に捉える時期がきたようだ。
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