NARグランプリ2024 表彰者一覧
NARグランプリ2024 表彰馬一覧
NARグランプリ2024 優秀馬選定委員会 選定経過
NARグランプリ2024の表彰馬が、優秀馬選定委員会(出席委員14名、内1名は委員長)で選定された。同委員会は、部門ごとに検討のうえ票決する形で進められたが、以下は席上で出された意見をもとに選定経過、選定理由としてまとめたものである。
【各部門最優秀馬】
2歳最優秀牡馬/ソルジャーフィルド(北海道)
JBC2歳優駿(JpnIII)で地方所属馬としては4年ぶりに勝利し、全日本2歳優駿(JpnI)でも3着に健闘したソルジャーフィルドが全会一致で選定された。
2歳最優秀牝馬/プラウドフレール(船橋)
東京2歳優駿牝馬を制したプラウドフレールとエーデルワイス賞(JpnIII)2着のエイシンマジョリカ、門別競馬で重賞3連勝の後、東京2歳優駿牝馬でも2着に入ったゼロアワーが挙げられた。協議の結果、3頭の直接対決となった東京2歳優駿牝馬での勝利が決め手となり、プラウドフレールが選定された。
得票 |
プラウドフレール |
10 |
エイシンマジョリカ |
3 |
ゼロアワー |
1 |
3歳最優秀牡馬/サントノーレ(大井)
京浜盃(JpnII)を圧勝し、戸塚記念でも圧倒的なパフォーマンスを見せたサントノーレと東京ダービー(JpnI)4着、ジャパンダートクラシック(JpnI)5着と共に地方馬最先着を果たし、名古屋大賞典(JpnIII)でも古馬相手に3着と奮闘したシンメデージーの2頭が挙げられた。サントノーレのJpnII勝利を評価する声とダートグレード競走の勝利はないものの、年間通して活躍を続けたシンメデージーを推す声が拮抗する大激論の末、採決結果はなんと同数。委員会規定に基づき、委員長によりサントノーレが選定された。
得票 |
サントノーレ |
7(委員長決定) |
シンメデージー |
7 |
3歳最優秀牝馬/ローリエフレイバー(大井)
秋のロジータ記念を勝ったローリエフレイバー、春の桜花賞を勝ったプリンセスアリー、関東オークス(JpnII)で3着と健闘し、グランダム・ジャパン3歳シーズンを優勝したグラインドアウトが挙げられた。活躍の時期がそれぞれ異なり、選定の決め手を欠くなか協議は難航。最終的には、全国交流競走であるロジータ記念の勝利が評価され、ローリエフレイバーが選定された。
得票 |
ローリエフレイバー |
10 |
プリンセスアリー |
2 |
グラインドアウト |
2 |
4歳以上最優秀牡馬/ライトウォーリア(川崎)
川崎記念(JpnI)を制覇し、浦和記念(JpnII)では2着、海外遠征となったコリアカップ(G3)でも4着と健闘したライトウォーリアが全会一致で選出された。選考過程では、勝ち星こそないものの兵庫所属馬として初となるドバイ遠征を果たし、年間を通してG/JpnI競走で善戦してきたイグナイターを推す意見もあった。
4歳以上最優秀牝馬/キャリックアリード(大井)
スパーキングレディーカップ(JpnIII)2着、エンプレス杯(JpnII)3着、クイーン賞(JpnIII)3着など、年間通して牝馬限定戦のダートグレード競走で善戦を続けてきたキャリックアリードと、兵庫クイーンカップを勝って、オレノココロの持つ国内重賞最多勝記録に並び、惜しまれつつ引退したハクサンアマゾネスの2頭が挙げられた。協議の結果、ダートグレード競走に果敢に挑戦を続けて、レベルの高い相手に結果を残してきた点が評価され、キャリックアリードが選定された。
得票 |
キャリックアリード |
13 |
ハクサンアマゾネス |
1 |
ばんえい最優秀馬/メジロゴーリキ
帯広記念、ばんえい記念を勝利したメジロゴーリキと重賞5勝を含む8連勝を飾ったメムロボブサップの2頭が挙げられた。協議の結果、ばんえい競馬最高峰の競走であるばんえい記念と帯広記念を共にメムロボブサップを退けて勝利していることが評価され、メジロゴーリキが選定された。
最優秀短距離馬/アラジンバローズ(兵庫)
原則として1,600m未満の競走が評価の対象となるこの部門。サマーチャンピオン(JpnIII)を制し、JBCスプリント(JpnI)でも3着に入ったアラジンバローズとさきたま杯(JpnI)2着、JBCスプリント(JpnI)4着、ドバイゴールデンシャヒーン(G1)5着とG/JpnI競走で善戦を続けてきたイグナイターが挙げられた。協議の結果、ダートグレード競走を勝っていること、JBCスプリント(JpnI)ではイグナイターに先着していることが評価され、アラジンバローズが選定された。
最優秀ターフ馬/該当馬なし
いしがきマイラーズを制したギャレットとサファイア賞を制したパラダイスリズムが候補に挙げられたが、過去の受賞馬との比較から選定には至らず、該当馬なしとなった。
【年度代表馬】
ライトウォーリア(川崎)
4歳以上最優秀牡馬に選定されたライトウォーリアが、常にトップクラスとの対戦を続け、地方競馬の代表として海外遠征も経験し、川崎記念(JpnI)の制覇、浦和記念(JpnII)でも2着と好走したことが評価され、全会一致で2024年度年度代表馬に選定された。
【ダートグレード競走特別賞馬】
フォーエバーヤング(JRA)
この部門は、地方競馬で実施されたダートグレード競走での成績を対象として地方・中央の所属に関わらず選定するもの。委員からは地方競馬で実施されたG/JpnIを勝利した馬の中でも、東京大賞典(GI)、ジャパンダートクラシック(JpnI)を勝利したフォーエバーヤングとさきたま杯(JpnI)、マイルチャンピオンシップ南部杯(JpnI)を勝利したレモンポップが挙げられた。協議の結果、フォーエバーヤング、レモンポップ共にG/JpnI競走を2戦2勝ではあるものの、地方競馬唯一のGI競走である東京大賞典を、好メンバーが揃った中で古馬相手に勝ち切った点が評価され、全会一致でフォーエバーヤングが選定された。
【特別表彰馬】
ラブミーチャン(元競走馬・笠松) ※2024年8月31日死亡
地方競馬の発展に顕著な功績があった馬や、その他顕彰に値すると認められる馬を表彰するこの部門。
笠松競馬場でデビューし、兵庫ジュニアグランプリ(JpnII)を含む5連勝で全日本2歳優駿(JpnI)を制覇、史上初の2歳で2009年NARグランプリ年度代表馬に輝き、その後も短距離路線で活躍を続け、2012年にもNARグランプリ年度代表馬となったラブミーチャンが選定された。委員からは地方競馬が厳しい状況の中、ファン・関係者に明るい話題を提供してくれたとの声が多数上がった。
なお、国内平地競走の重賞最多勝記録を更新し、国内重賞最多勝記録にも並んだハクサンアマゾネスや1974年に大井競馬場で開催された第1回中央競馬招待競走を勝利し、その後JRAでも活躍したゴールドイーグル、2001年東京大賞典など重賞8勝を挙げたトーホウエンペラー、2007年~2009年JBCクラシック3連覇など当時史上最多のG/JpnI9勝を挙げたヴァーミリアンなどがノミネートされたが、いずれも選定には至らなかった。
NARグランプリ2024 優秀馬選定委員会 選定委員 (敬称略・順不同)