SPECIAL COLUMN Vol.6

“夏の地方競馬”が濃い!

執筆者 井上紀彦 競馬愛好家・競馬セミナー講師 23歳で競馬に出会い、今や365日競馬三昧。一人でも多くの方に競馬の魅力を伝えるべく、川崎競馬などで競馬セミナーを実施。

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  • “競馬”の楽しみ方は十人十色。“競馬”の楽しみ方は十人十色。

    馬券を購入してレースを楽しむ人、競馬場のB級グルメを楽しむ人、場内で行われるイベントを楽しむ人など、
    競馬経験に関係なく競馬場では様々な楽しみ方があります。
    そこで今回は、この夏の旅行にオススメする各地の地方競馬場の魅力と周辺の観光スポットを紹介します。
  • 北海道【ばんえい競馬(帯広競馬場)】北海道【ばんえい競馬(帯広競馬場)】

    一般的に“競馬”といえば、騎手が競走馬に跨り、時に時速60キロをも超えるスピードで芝コースやダートコースを走り抜けるイメージを持っている方が多いと思います。
    「ばんえい競馬」は、それとは異なり、スピードよりも、馬力・迫力を味わえる競馬です。
    最大1トンものソリを曳く“ばん馬”によるダイナミックなレースはまさに必見!
    また、競馬場敷地内には地元食材を活かしたグルメ店や十勝の素材にこだわったスイーツ店、ここでしか購入できない限定品、地元名産品が並ぶ売店もあります。
    ~ちょっと寄り道~帯広編~
    ばんえい競馬を楽しんだ後は、帯広駅北口に位置する「いきぬき通り・北の屋台」へ。
    個性豊かな20軒程の屋台が軒を並べていて、自慢の料理だけでなく、その風情もまた魅力的なスポットと言えます。
    深夜まで営業している店舗もあり、競馬終わりの時間でも間に合いますが、混雑を避けたい方は開店直後の時間帯に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
  • 北海道【門別競馬場】北海道【門別競馬場】

    1997年に誕生した門別競馬場は、従来のトレーニングセンターを改修して完成した馬産地のど真ん中に位置する競馬場です。
    門別競馬はファンの間では素質馬が多くレベルが高いと言われるのですが、これは地方競馬の中でも屈指の調教施設での調教が実を結んでいるのではないかと思います。
    8月17日にはグランダムジャパン古馬シーズンの一戦である中央交流重賞ブリーダーズゴールドカップが行われ、地方・中央の実績馬の白熱したレースを体感できます。
    また、レースを観ながら、北海道名物のジンギスカンを堪能できます!
    ちょっと寄り道~門別編~
    競走馬や馬好きな方は必見、競馬場周辺には数多くの牧場があり、時に“名馬”に出会うことができるかも!?
    詳しくは「競走馬のふるさと案内所」ホームページなどで見学可否をご確認ください。
  • 東北地方【盛岡競馬場】東北地方【盛岡競馬場】

    盛岡競馬場は地方競馬で唯一のダートコースと芝コースを併設している競馬場です。
    同じく岩手競馬に属している水沢競馬と期間ごとに開催され、主に週末から週明けにかけてレースが行われます。
    8月15日(火)には、中央交流重賞クラスターカップが行われます。
    毎年、全国各地からスピード自慢の強者が集結する岩手競馬の名物レースとなっています。
    場内の「屋台村」は競馬ファンならお馴染みのグルメスポット!
    数年前に行ったときは、アユの塩焼きを何本も食した記憶があります。
    ちょっと寄り道~盛岡編~
    歴史と風情が楽しめる「盛岡八幡宮」、夜景が人気の癒しスポット「岩山公園」、買い物好きの方にオススメの「材木町よ市」など、観光スポットが盛りだくさん!
  • 東北地方【水沢競馬場】東北地方【水沢競馬場】

    盛岡の南に位置する水沢競馬場は、スタンド、パドック、コースのどれもが競馬オールドファンには懐かしく感じるレトロな競馬場です。
    小ぢんまりとしたパドックには多くの競馬ファンが群がり、真剣な眼差しで競馬新聞と睨めっこしています。その光景から、他の競馬場以上に“競馬愛“の高さが覗えます。
    ちょっと寄り道~水沢編~
    競馬場のほとりに北上川、右に義経伝説の束稲山、左に早池峰山と、眺望のよい競馬場です。
    水沢駅から車で20分程の場所には、源泉かけ流しの温泉施設などもあります。
  • 関東地方【大井競馬場】関東地方【大井競馬場】

    ナイター競馬発祥の地として人気の大井競馬場は、地方競馬場の中でも最大規模の面積を誇ります。
    ナイター競馬開催中は、都心に近いことから仕事帰りでも競馬を楽しめます。
    通常は平日開催ですが、今夏は土日の開催もあり、日中はJ-PLACEとしてJRAのレースを、その後は大井のナイター競馬が楽しめるため、一日を通して競馬を満喫できます。
    ちょっと寄り道~品川(大井)編~
    夏休みにご家族やカップルでご来場されるなら、オススメはやはり水族館!?
    大井競馬場から徒歩でも行ける「しながわ水族館」と品川駅前にある「アクアパーク品川」は、暑いこの時期にピッタリの涼みスポット!
  • 関東地方【船橋競馬場】関東地方【船橋競馬場】

    船橋エリアはJRAの中山競馬場も近く、競馬ファンが多く集まる競馬スポットと言えます。
    地方競馬の中でも、競走馬・騎手・調教師の各部門のトップクラスが在籍している船橋競馬。
    競走馬では、アジュディミツオー、アブクマポーロ、フリオーソなど名馬がズラリと並び、騎手では、南関東競馬のリーディング森泰斗騎手や今後の船橋競馬を担うであろう中野省吾騎手、調教師では、名トレーナーとして名を馳せた川島正行元調教師(故人)を父に持つ川島正一調教師らが挙げられます。
    ちょっと寄り道~船橋編~
    人気テーマパーク「東京ディズニーランド」が電車で30分程の場所にあるほか、
    徒歩10分の場所には“観る”“買う”“食べる”が全て揃った大型ショッピングモール、「ららぽーとTOKYO-BAY」があります。
  • 関東地方【川崎競馬場】関東地方【川崎競馬場】

    昨年、スタンドの改修工事も無事完了し、とてもキレイになったと評判の川崎競馬場は、女性ファンに嬉しい快適な環境と、オールドファンにはどこか懐かしく感じる“昔ながらの競馬場“の両面を融合した競馬場です。
    この夏は2度の開催があり、8月23日(水)には南関東競馬の重賞スパーキングサマーカップが組まれています。

    場内の飲食店は競馬ファンにお馴染みの品揃え。定食や丼モノをはじめ、ラーメンやもつ煮といった定番メニューも人気です。
    また、自身も月に1、2回のペースで必ず食す手作りコロッケは味も量も十分満足できると思います!
    ちょっと寄り道~川崎編~
    ナイター競馬を楽しんだ後はいざ川崎駅前へ。
    お馴染みの居酒屋チェーン店から、少し路地に入れば雰囲気の良い小料理さんなど食事処も呑み処も探すことに苦労しません。
    また、繁華街だけあって、夜遅くまで営業しているので時間も気にせずゆっくり過ごせると思います。
  • 関東地方【浦和競馬場】関東地方【浦和競馬場】

    南関東牝馬クラシック第一戦となる桜花賞が行われる浦和競馬場は、近年、来場者も多く盛り上がりを見せています。
    住宅地のど真ん中に位置していることもあり、どこかほのぼのとした長閑な競馬場です。
    南関東では一番小さな競馬場で、コースやパドックにおいて馬を目の前で見られるあたりが魅力の一つかもしれません。
    常連さんをはじめ、競馬関係者の間でも場内のB級グルメは人気が高く、“安い”“旨い”“早い”の三拍子!
    その中でも唐揚げ串はお店独自の味付が人気で、浦和競馬場に行くとき必ず食べる定番メニューです。
    ちょっと寄り道~浦和編~
    前記の通り、住宅街にあるので観光スポットは限られますが、競馬で遊んだ後は電車で都内へ。
    わずか20分程で上野駅に到着。買い物や食事を楽しめる上野エリアは幅広い年齢層の方に満喫できるスポットとしてオススメできます。
  • 北陸地方【金沢競馬場】北陸地方【金沢競馬場】

    今年、ダービーシリーズ2017の最終戦となる石川ダービーが行われた競馬場です。
    また、JRAのGIレース級の競走馬が出走する注目の交流重賞競走・白山大賞典が行われる競馬場としても認知されています。
    1周1200mのコースですが、レースは900mから2600mまで様々な距離で行われています。

    海が近いこともあり、場内には新鮮な魚介類が堪能できるお寿司屋さんも営業しています。
    ちょっと寄り道~金沢編~
    日本三名園の一つ「兼六園」をはじめ、歴史と情緒が味わえる金沢城や武家屋敷跡地など、観光名所は数え切れません。
    また、少し足をのばせば温泉街もあるので、競馬と観光をそれぞれ満喫できること間違いなし!
  • 東海地方【名古屋競馬場】東海地方【名古屋競馬場】

    最近では、「金シャチけいばNAGOYA」の愛称で親しまれている名古屋競馬場は、
    名古屋駅からも程近く、多くの競馬ファンが観戦に訪れています。
    根強い人気の要因として挙げられるのが、個性豊かな騎手の面々。
    地元での騎乗だけでなく、他場で行われる地方の重賞レースやJRAのレースでも多くの騎手が積極的に騎乗しています。
    中でも、木之前葵騎手は数少ない女性騎手であり、アイドル的存在。
    昨年度は名古屋競馬で勝利数ベスト10入りを果たすなど、人気と実力を兼ね揃えた騎手です。
    場内の飲食店はバラエティ豊富で、名古屋名物“どてめし”“串かつ”はオススメの一品です。
    ちょっと寄り道~名古屋編~
    名古屋駅から2km程の場所には、ご存知、名古屋城。
    営業時間後は、日没からライトアップされて、とても幻想的に様変わりします。
    その他、名古屋には水族館や植物園、さらに科学館もあり、お子様も十分に楽しめる場所です。
    カップルにオススメは、「オアシス21」!
    館内にはファンションブランドやキャラクターショップ、さらにはバラエティに富んだ飲食店が立ち並びます。
    そんなオアシス21のシンボルとなっているのが、「水の宇宙船」。
    地上14mにある園路からは、テレビ塔や名古屋の市街地が一望できます。
  • 東海地方【笠松競馬場】東海地方【笠松競馬場】

    笠松競馬は、“名馬・名手の里”として知られています。
    伝説の名馬・オグリキャップをはじめ、フェートノーザンやライデンリーダー、近年ではラブミーチャンなど、強豪揃いのJRA馬相手に互角以上の成績を挙げた馬が在籍していました。
    そして“アンカツ”の愛称で人気を博した名手・安藤勝己氏もまた笠松競馬出身者です。
    競馬場の特徴としては、地方競馬で唯一、パドックが馬場内にあることです。
    フルゲート(最多時の出走頭数)が10頭ということで、手堅い決着が多い印象を受けますが、伏兵馬が台頭することもしばしばあり、思わぬ高配当になることも!?
    ちょっと寄り道~笠松編~
    競馬場周辺は、長良川や揖斐川とともに木曽三川を構成する木曽川が流れており、とても自然に恵まれたエリアとなっています。
    歴史建造物が多く存在しますが、オススメは長良川の鵜飼見物が挙げられます。
    水が綺麗なことから良質な鮎料理を提供してくれるお店が目立ちます。
    また今夏8月には、開催二日目にあたる15日に「笠松川まつり」が行われる予定で、夜には2300発もの花火が打ち上げられるそうです。
  • 近畿地方【園田競馬場】近畿地方【園田競馬場】

    園田競馬は、季節によって開催日が異なりますが、夏の時期は水曜日から金曜日の三日間開催が基本となっており、金曜日は「そのだ金曜ナイター」と題し、夜の競馬開催を行っています。
    成績優秀な騎手が多く在籍していることでも知られ、昨年の地方競馬所属騎手の勝利数ベスト10に3名がランクイン!
    ちなみに、現在JRAで活躍している岩田康誠騎手と小牧太騎手は元園田競馬所属で活躍していました。
    ちょっと寄り道~園田編~
    競馬場のすぐそばには伊丹空港(大阪国際空港)があり、尼崎や大阪への移動も比較的スムーズです。
    神社やお寺がありますが、観光スポットはやや少なめ。
    1泊2日なら初日は競馬で満喫し、二日目に大阪などの観光地巡りが良いかもしれません。
    最近知ったスポットでは、尼崎に「世界の貯金箱博物館」なるものを発見!
    今度、園田競馬場に行く際にはちょっと覗いてみてはいかがでしょうか。
  • 四国地方【高知競馬場】四国地方【高知競馬場】

    高知競馬に所属していたハルウララが、連戦連敗を続けながらも懸命に走る姿が話題となり、一躍アイドルホースとして人気を博したのが2003年の出来事。
    その後、しばらくは売上が低迷し、一時は存続も危ぶまれた時期もありましたが、2009年のナイター競馬(通称「夜さ恋ナイター」)開催以降は、年々売上が増加し、なんと昨年は25年ぶり売得金レコードを記録しました。br いま、最も勢いのある競馬場と言えるかもしれません。

    1周1100mの小回りコースという競馬場ですが、3~4コーナーにかけて曲がりやすい形状となっているため、比較的、後方待機策の追込馬などが台頭することもあります。
    高知競馬の名物といえばアイスクリン。アイスクリームのような、シャーベットのような、その滑らかさとスッキリ感は病みつきになりそう。
    ちょっと寄り道~高知編~
    競馬場から5km圏内にある月の名所「桂浜」はやはり寄っておきたい。
    パワースポットであり、癒しスポットでもある桂浜では、一際目立つ高知の象徴・坂本龍馬像が有名。
    当然の如く、高知市内のいたるところに坂本龍馬関連の施設や建造物が点在しています。
    また、“食”を楽しみたい方には、「ひろめ市場」が絶対オススメ!
    活気があり、メニューも豊富、味も抜群で何度でも行きたいところです。
    とにかく空席を探すことに苦労しますので、早めの時間帯に行かれることをお勧めします。
  • 九州地方【佐賀競馬場】九州地方【佐賀競馬場】

    毎年、JRA所属馬と地方馬の対戦が注目される佐賀記念やサマーチャンピオンが行われる佐賀競馬場。
    全国で唯一となる右回りのパドックがある競馬場としても知られています。
    また、佐賀競馬場は、薄暮開催を通年で行っていて、お昼から夕方の時間帯にレースが行われています。
    場内にはラーメンやカレーライスといった定番メニューがズラリと並ぶほか、甘党にオススメ「回転焼」も地元の競馬ファンに有名。
    ちょっと寄り道~佐賀編~
    競馬場周辺の朝日山公園や九千部山には、鳥栖市街地を一望できる展望台があり、観光スポットとして人気です。
    また、穴場スポットとして、疲れた体を癒やしてくれる温泉施設が幾つかあるので、事前に調べて予定
    を組まれると良いかもしれません。