金沢競馬場で特徴といえる施設のひとつが、パドックの奥にある軽食堂街。
最近になって入れ替わった店がいくつかありまして、全体的に若返ったような感じがします。
パドックから見ていちばん近いところにある「うちの仔カフェ」もここ数年のうちにできたお店で、個人的には“喫茶店”かなあと思って見ておりました。
そのお店は「新型コロナウイルス」の影響で入場者数に上限がある時期も営業。「Go Toトラベル」の地域振興券が使えるお店にもなっていました。
というわけで個人的には関心を持っていたのですが、これまで入ったことがなかったんですね。
その理由は、私は競馬場で何かを食べることはあっても「お茶を飲んでひと休み」という気分にあまりならないから（汗）。
でもこの日は私が金沢競馬場に到着したのが午後2時すぎ。それから用事を済ませたら、軽食堂がシャッター街になりかかっていたからさあ大変。まだ昼ごはんを食べてないっちゅーの！
そんななか「うちの仔カフェ」は営業中。でも扉に「カレーは売り切れました」という貼り紙が……
それでも別のメニューならありそう。と期待してお店に入り、ピザはありますかと聞くと「あります」とのこと！
その言葉に安心して席について、先に到着したコーヒーを飲んでホッとひと息。だって最終レースがスタートするのは今から2時間後。街に戻れるのは3時間後ですからね。
改めて店内を見回してみると、店内の平均年齢が競馬場全体のそれよりかなり若い感じ。そして大半が“濃い”競馬ファンという雰囲気。
するとお客さんと会話していた店主が、昔の名馬の名前を口にしたではないですか！
「そうなんです。幼稚園の頃から競馬場に連れてこられてきて、そのまま……」
と、店主の山田亜紀さん。普通の（？）競馬ファンです。
「普段は別の仕事をしているんですが、金沢競馬場のホームページで空き店舗が出たことを知って、やってみたいと思って応募しました」とのこと。「別の仕事」は事務職で、飲食店の経営はまさにチャレンジですね。改装工事をして、2022年5月15日にオープンしたそうです。
ただ、勤務先から副業のＯＫはもらっているものの、平日に2日連続はダメと言われているそうで、例えば月曜日と火曜日の連続開催では火曜日だけのオープンとなることが多いようです。
「そのあたりの予定はインスタグラムで発信しています。日曜日はお店を開けますが、金沢の開催がなくてJRAの場外だけのときは、JRAのメインレースまでの営業ですね」
とのこと。私が訪問したのは日曜日の開催日。照明設備が整ったことで18時すぎになった最終レースの直前でも店内には人影がありました。
しかし気になるのはお値段ですよ。競馬場の飲食店における価格破壊的な……
これも“趣味の一環”だからなんでしょうね。金沢競馬場内でほかのお店とメニュー的に競合していないので、これで大丈夫なのだと思います。
ところで注文した「ピザ」は、薄い生地がカリカリッとしていて、上に載ったチーズとオリーブオイルの香りがとても良くて、私の好み。辛味オイルの提供もありましたが、それを使うことなくあっさりと完食してしまいました。金沢競馬場に来たらまた寄ります！
浅野靖典（あさのやすのり）
競馬キャスター・ライターとして活動中。ＪＲＡブリーズアップセール、八戸、九州の各競走馬市場にて司会進行を担当。ライターとしては、
・競馬総合チャンネル（netkeiba.com）
・ＰＯＧの達人
・ＪＲＡホームページ
・週刊プレイボーイ
・ＷＥＢハロン
などに寄稿している。