1. Presented by National Association of Racing
  2. 地方競馬のオンライン情報誌ウェブハロン
  3. ダートグレード競走を中心としたレースハイライトや、シリーズ競走等の特集、各種連載など盛りだくさんの情報をお届けします。

レーススケジュール・概要を開く

グランダム・ジャパン2019

地方競馬では、牝馬競走の振興と牝馬の入厩促進を図るため、今年で10年目となる 世代別牝馬重賞シリーズ 「GRANDAME-JAPAN2019(グランダム・ジャパン2019)」を実施します。

全国各地で行われる牝馬重賞を世代別に体系づけ、競走成績によりポイントを付与。2歳、3歳、古馬の世代別ポイント獲得上位馬に対し、協賛各団体から日本軽種馬協会を通じボーナス賞金が授与されます。地方競馬の優れた牝馬の活躍の舞台を広げるとともに、交流を促進して魅力ある牝馬競走の実施を目指します。

NARサイト 特設サイトはこちら

2歳シーズン レーススケジュール

レース名 実施日 競馬場 距離 地区
園田プリンセスカップ 9.26(木) 園田 1,400m 北陸・東海・近畿
エーデルワイス賞 JpnⅢ 10.10(木) 門別 1,200m 北海道
ラブミーチャン記念 11.7(木) 笠松 1,600m 北陸・東海・近畿
金沢シンデレラカップ 11.12(火) 金沢 1,500m 北陸・東海・近畿
ローレル賞 11.19(火) 川崎 1,600m 南関東
プリンセスカップ (取り止め) 水沢 1,400m 東北
東京2歳優駿牝馬 12.31(火) 大井 1,600m 南関東
  • 第21回
  • 園田プリンセスカップ

9.26 (木) 園田 1,400m

正攻法の逃げで後続を突き放す
 GDJのタイトルに向け好発進

グランダム・ジャパン(GDJ)2歳シーズンが今年も園田プリンセスカップから始まった。2010年にスタートしたGDJだが、デビューして間もない2歳シーズンのこの時期、さすがに積極的に他地区からの遠征は難しいと思われ、実際3年目まで、このレースにはGDJの地区区分でいうところの“自地区”である金沢・笠松・名古屋からの遠征にほぼ限られていた(10年には福山からの遠征もあった)。しかし4年目の13年に初めて北海道から2頭の遠征があり、1着、3着。15年にも勝利し、17年には北海道勢が上位3着まで独占と、2歳戦でのレベルの高さを示している。

そして今年また新たな変化は、南関東から2頭が遠征してきたこと。これまでこのレースに出走した南関東所属馬はわずか1頭(17年アクアレジーナ・6着)。今回は2頭ともにまだ底を見せていない成績で、その1頭、船橋のスティローザが1番人気にこたえる快勝を見せた。

抜群のダッシュを見せたのは、そのスティローザ。同じ船橋のポピュラーソングはスタートで躓いたものの、すぐに立て直すと二の脚の速さで2番手につけ、北海道のスパイスワールド、テーオーブルベリーが外に続いた。前を固めた遠征勢に対し、地元勢では唯一ステラモナークがラチ沿い3番手につけた。

3コーナー手前でポピュラーソングが徐々に後退、勝負は前4頭に絞られた。4コーナーでは外からテーオーブルベリーが先頭のスティローザに並びかける場面もあったが、手ごたえの差は歴然。直線を向くとスティローザが後続を振り切り、最後は手綱を緩める余裕のゴール。テーオーブルベリーは2馬身半差で2着。内でしぶとく3着に粘ったステラモナークは、これがまだキャリア2戦目だが地元の意地を見せた。

勝ったスティローザは、これで5戦3勝。地元船橋での新馬戦を勝ったあと、2戦目は川崎で逃げて2着。3戦目も川崎だったが、勝ち馬から2秒6も離される5着に惨敗していた。これについて矢野義幸調教師は、「砂を被せていこうとしたら、砂を被りっぱなしで外に出せる場面もなく、そのまま終わってしまいました。それで前走では正攻法でということで、うまくいきました」という、前走浦和1400メートル戦は、逃げて2着に2秒2差をつける圧勝。そして臨んだ一戦だった。

近年、南関東でも2歳戦が始まる時期が早まったが、最初の2歳重賞は10月中旬の鎌倉記念。牝馬限定戦となると、11月のローレル賞まで待たなければならない。それゆえ、すでにキャリア4戦を重ね結果も残しているスティローザにとっては、遠征のリスクがあるにしても、ここが狙い目となったのだろう。

たしかにこの時期の北海道所属の2歳馬はレベルが高いが、ここまでに経験できるのは、ほとんどが広い門別コースと、ごくまれに中央だけ。一方、南関東では直線の短い浦和やコーナーがきつい川崎、右回りの大井など様々なコース形態が経験できる。園田のような小回りコースに遠征するにはアドバンテージになるだろう。

スティローザの今後について矢野調教師は、このあと1戦使うか使わないかで、ローレル賞から東京2歳優駿牝馬になるだろうとのこと。GDJでは16年にクラトイトイトイで3歳シーズンを優勝しており、2頭目のGDJタイトルを目指すことになる。

  • 取材・文
  • 斎藤修
  • 写真
  • 桂伸也(いちかんぽ)

Comment

吉原寛人 騎手

スタートセンスがすごくいい馬だと聞いていて、思った以上に速かったので余裕がありました。手ごたえはずっといい感じだったので自信をもって乗れました。(初めての右回りは)1~2コーナーだけ怪しところがありましたが、クリアしてくれてからは楽でした。最後は着差以上に余裕がありました。

矢野義幸 調教師

2戦目で川崎に行った時は物見をしていましたが、何回か走るうちに慣れてきたのでしょう、テンションが上がるわけでもないし、今回も普段通りでした。とりあえずグランダムのタイトルに向けてやっていきます。今日のレースぶりなら、もう少し距離が伸びても大丈夫だと思います。