ダートグレード競走を中心としたレースハイライトや、シリーズ競走等の特集、各種連載など盛りだくさんの情報をお届けします。
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特集

グランダム・ジャパン2018

GRANDAME-JAPAN2018

レーススケジュール

3歳シーズン
レース名 実施日 競馬場 距離 地区
若草賞 3/13(火) 名古屋 1,400m 北陸・東海・近畿
桜花賞 3/21(水) 浦和 1,600m 南関東
ル・プランタン賞 4/8(日) 佐賀 1,800m 九州
東海クイーンカップ 4/17(火) 名古屋 1,800m 北陸・東海・近畿
留守杯日高賞 4/22(日) 水沢 1,600m 東北
東京プリンセス賞 5/10(木) 大井 1,800m 南関東
のじぎく賞 5/17(木) 園田 1,700m 北陸・東海・近畿
関東オークス JpnⅡ 6/13(水) 川崎 2,100m 南関東
 地方競馬では、牝馬競走の振興と牝馬の入厩促進を図るため、今年で9年目となる 世代別牝馬重賞シリーズ 「GRANDAME-JAPAN2018(グランダム・ジャパン2018)」を実施します。

 全国各地で行われる牝馬重賞を世代別に体系づけ、競走成績によりポイントを付与。2歳、3歳、古馬の世代別ポイント獲得上位馬に対し、協賛各団体から日本軽種馬協会を通じボーナス賞金が授与されます。地方競馬の優れた牝馬の活躍の舞台を広げるとともに、交流を促進して魅力ある牝馬競走の実施を目指します。
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川崎 2,100m

中団に構えた伏兵が差し切る
GDJは2着の地元馬が大逆転

 3歳ダート女王決定戦・関東オークスJpnⅡが川崎競馬場で行われた。JRA勢4頭のうち、2連勝中で大きな馬体が目を引くララプリムヴェールが単勝1.8倍、ケンタッキーダービー馬オーブ産駒のプリンセスノンコが3.1倍と、2頭が人気の中心。地方勢の筆頭は東京湾カップの勝ち馬クレイジーアクセルで単勝6.2倍の3番人気に支持された。
 また、このレースはグランダム・ジャパン3歳シーズンの最終戦でもある。ここまで2位のエグジビッツ、3位のアクアレジーナ、4位のマイメンなど上位馬が優勝を狙って参戦してきた。エクストラポイントが初めて採用された昨年の3歳シーズンは、4ポイントのステップオブダンスが3着に好走し大逆転優勝を飾った。今年も資格要件を満たす全ての馬にチャンスがあり、地方馬同士の争いからも目が離せない状況だ。
 ゲートが開くと予想通りクレイジーアクセルが先手を取り、直後にメイショウヒサカタ、3番手にララプリムヴェールがつけた。少し離れてプリンセスノンコ、ゴールドパテックが続き、ハービンマオやエグジビッツ、アクアレジーナは中団を追走。速いペースの中、馬群はかなり縦長でレースが進んでいた。
 勝負どころの3コーナーを迎え、手応えよく2番手に上がるゴールドパテックと山崎誠士騎手の姿がビジョンに映し出されると、スタンドからは「おお!」というどよめきが。その後ろではハービンマオが人気馬たちを交わし3番手まで迫っていた。直線に入ると、ゴールドパテックが先頭に立って押し切ろうとするところに、ハービンマオが外から差を詰める。ゴール前ではハービンマオの勢いが勝り3/4馬身差で1着を勝ち取った。2着から4馬身の3着には逃げたクレイジーアクセル、4着にミスマンマミーアが入り、地方馬の健闘が目立った。1番人気のララプリムヴェールは6着に敗れた。
 ゴール後、大きなガッツポーズを見せたハービンマオの松岡正海騎手。「ずっとチャンスをいただいていた馬なので勝てて嬉しいです」と満面の笑み。今回は6番人気と伏兵的な存在であったが、この勝ち方には中舘英二調教師も「強い馬が他にいましたし、びっくりしています」と驚きの表情だった。調教でも跨っている中舘調教師によると、まだまだこれからの馬だということで、そのポテンシャルの高さを見せつけるレースとなった。
 あと一歩だったのは地元川崎のゴールドパテックだ。「勝ったと思いました。交流重賞ではなかなかあの手応えで上がってこれないですからね」と山崎騎手。それでも、このレース内容には納得の様子だった。「追い切りも抜群で状態はとても良かったです。あそこまでいったら勝ちたかったけど、夢は見せられたかな。自分がデビューから乗っている馬ですし感慨深いですね」と。岩本洋調教師は「この馬場が合うのでしょう。上出来です」と笑顔だった。
 さて、グランダム・ジャパン3歳シーズンは、今年も劇的な結末となった。2着のゴールドパテック(川崎)がエクストラポイントと合わせて30ポイントを獲得し合計33ポイント。なんと3ポイントからの大逆転優勝を決めたのだった。27ポイントで2頭が並び、同ポイントの場合は最終戦に出走した馬が上位という規定により、2位がエグジビッツ(北海道)、3位は6日前の兵庫ダービー(5着)に出走したレコパンハロウィー(兵庫)という結果で、3歳牝馬たちの戦いは幕を閉じた。

地方勢最先着は2着入線のゴールドパテック
取材・文:秋田奈津子
写真:築田純(いちかんぽ)

コメント

松岡正海騎手

ペースが速かったので深追いすると自分の持ち味がいきないと思いました。ですので前半は前を気にせず向正面から動いていこうと。脚のある馬を目標についていくことができたのでうまくいきましたね。レースセンスの良さや、気性の素直さ、長くいい脚が使えるところなど、いいところはたくさんあります。

中舘英二調教師

ペースが流れていたのでちょうどいいかなと見ていて、向正面でも楽に追走できていたのでこれはやれるかなと思っていたら本当に勝ってくれました。思った以上に力があるということなのでしょう。イレ込む馬なのでマイナス体重だけは嫌だったんですがプラス体重で出られました。これが勝因ですね。