DG勝ち馬が意地を見せる
GDJでも暫定首位キープ

　うら若き2歳牝馬のレースは何が起きるかわからない……。現に、ローレル賞を1番人気馬が制したのは5年前に遡る。今年の単勝1番人気は、3戦3勝のすべてが大差勝ちというロマンあふれる浦和のホウショウレイルで1.3倍。
　しかし、ダートグレードホルダーが意地とプライドを見せつけた。優勝したのは、エーデルワイス賞JpnⅢを含め重賞3連勝中だったアークヴィグラス。
　北海道の小野望厩舎からデビューし、川崎・平田正一厩舎への移籍初戦。環境は大きく変わったが、北海道時代の馬具の装備やカイバなどは、あえて大きく変えないようにしてきたという。調整も至って順調で、「状態は自信を持っていました」と平田調教師は言っていたが、移籍初戦や初コース、初左回り、距離延長など、乗り越えなくてはならない条件が多かったこともあるのか、実績ほどではない2番人気（4.4倍）だった。
　北海道のスティールティアラが逃げ、すかさず2番手にはホウショウレイル、その少し離れた3番手をアークヴィグラスが追走し、縦長の展開。
　「引っ掛かるまではいきませんが、ずっとハミを噛みっぱなしで、リラックスするところがなかったので、リズムとしてはよくなかったです。道中は厳しいかなという感じもありましたが、4コーナーを回るくらいにステッキを入れたら反応があったので、もしかして……と。最後は苦しかったと思いますが頑張ってくれました。大井だったらもっと楽な競馬ができたと思います」（瀧川寿希也騎手）。
　アークヴィグラスは最後の直線で先行勢を交わすと、迫る後続を振り切っての勝利。瀧川騎手は大きくガッツポーズ。これで重賞4連勝。2着には半馬身差で船橋のダバイダバイ。アタマ差3着が北海道のパレスラブリー。1番人気のホウショウレイルは、いつもよりイレ込み、予想以上にハミを噛んでいたそうで、5着に敗れた。
　瀧川騎手は、栄冠賞でもアークヴィグラスの手綱を取り、2番手につけていくも最後の直線で止まり5着。続くレースから4戦続けて騎乗していた石川倭騎手とは地方競馬教養センターの同期生だ。「馬ってこんなにも変わるんですね。（石川騎手が）『寿希也が乗っていた時とは馬が違うから安心して乗ってこい』って言ってくれたので、積極的な競馬ができて勝つことができました。感謝したいです』（瀧川騎手）。
　当初から、アークヴィグラスはこのローレル賞後に、大井の嶋田幸晴厩舎に移籍することになっていた。今後は大井所属として、全日本2歳優駿JpnⅠや東京2歳優駿牝馬などを目指していく。なお、グランダム・ジャパン2歳シーズンではアークヴィグラスが10ポイントを加算して合計30ポイントとし、引き続き暫定トップとなっている。