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連載第54回 1991年 みちのく大賞典

『SG黄金時代』
1991年 みちのく大賞典 スイフトセイダイ・グレートホープ

 スイフトセイダイとグレートホープ。同じ年に生まれた2頭が、後に「SG時代」と言われる、岩手競馬の黄金時代を築くことになる。
 スイフトセイダイは2歳から王道路線を歩んでいた。7月に新馬勝ちをおさめると、以降連勝街道で南部駒賞、東北サラブレッド3歳チャンピオン(当時)を制し、9戦9勝で世代のトップと目される。
 一方、グレートホープは11月の新馬戦に勝ち、2戦2勝。
 この2頭が最初に対戦したのが、明けて3歳6月のダイヤモンドカップであった。
 スイフトセイダイ1番人気、グレートホープ3番人気で迎えたこのレースは、スイフトセイダイが勝ち、グレートホープはしんがり負けを喫している。
 2度目の対戦は10月の不来方賞。スイフトセイダイが人気に応え、グレートホープは2馬身差(0.4秒差)の2着。スイフトセイダイは続くダービーグランプリも制し、グレートホープは猛追した佐賀のギオンアトラスに最後交わされ3着だった。
 この後、スイフトセイダイは東京大賞典制覇を目指し大井へ移籍、ロジータの2着となった。グレートホープは暮れの桐花賞を制している。
 古馬になり、赤松杯、桂樹杯で対戦し、いずれもスイフトセイダイが勝ち、グレートホープは2戦とも3着。スイフトセイダイはみちのく大賞典に勝ち、すずらん賞、シアンモア記念2着の後、東北サラブレッド大賞典を制し、再び大井競馬へ移籍する。
 グレートホープはみちのく大賞典5着、すずらん賞3着、シアンモア記念3着の後、南部杯、北上川大賞典に勝ち、連覇を狙った桐花賞を2着で終え、大井に遠征した(当時は移籍して)スイフトセイダイは、前哨戦のグランドチャンピオン2000、東京大賞典いずれもダイコウガルダンの2着に敗れ、悲願の達成とはならなかった。
 明けて5歳の1991年。大井遠征から戻ったスイフトセイダイは、一般戦を叩きみちのく大賞典へ。グレートホープはシーズン初戦にみちのく大賞典を使ってきた。
 両雄のこれまでの対戦は8戦あり、いずれもスイフトセイダイが先着している。グレートホープはスイフトセイダイが大井へ遠征している間は勝てるが、戻ってくるとどうしても勝てない状態が2年続いていた。
 9度目の直接対決となった第19回みちのく大賞典。59キロを背負うスイフトセイダイが1番人気、シアンモア記念でスイフトセイダイを、桐花賞でグレートホープをそれぞれ破っているシャドウイメージが2番人気、グレートホープが3番人気、以下中央在籍時にウインターステークスを制しているソダカザンが4番人気、新潟→東海→中央→岩手(その後中津へ)と移籍したさすらいの新潟ダービー馬ダンシングジオットが5番人気。
 旧盛岡競馬場は1周1600m。フルゲート8頭。直線の一番奥からスタートし、最初の直線はゴールへ向かって下り坂。そしてきつい1~2コーナーを回ったあとは、3コーナーまでひたすら登り坂となり、そこからまた緩やかに下りはじめる。
 ゲートが開いてセンターグレーバーが逃げ、出ムチを入れてダンシングジオットが2番手。その後ろにスイフトセイダイとホワイトシロー、それをマークしてグレートホープが掛かり気味に。ソダカザン、エンゼルトーン、シャドウイメージ。3コーナーの坂を登りきったところで、スイフトセイダイとダンシングジオットが動き出し、逃げるセンターグレーバーをあっさり交わし、さらに外からスイフトセイダイをマークするグレートホープも仕掛けた。
 直線は3頭の争いとなり、スイフトセイダイがダンシングジオットを交わして先頭に立ち抜け出そうとするところ、大外(旧盛岡競馬場は直線の幅員が狭く、馬場の真ん中でも観客のすぐ近くを通る)から物凄い脚でグレートホープが迫り、内外離れて並んだところがゴールだった。
 長い長い写真判定の末、1着同着!
 59キロに加え、本調子と言えなかったスイフトセイダイは、スリーパレードに続く2頭のみちのく大賞典連覇。そしてデビュー以来28戦21勝2着7回の連対率100%! そしてグレートホープも9度目の直接対決で同着と、スイフトセイダイにようやく肩を並べることが出来た。
 この2頭はその年赤松杯、シアンモア記念で対戦し、再びスイフトセイダイが勝っている。年が明け、翌年のみちのく大賞典でともに59キロを背負いグレートホープが3頭目となる連覇を達成し、スイフトセイダイ(3着)に先着している。
 SG時代はモリユウプリンス、トウケイニセイの登場により、92年を境にTM時代へと世代交代していく。そして94年の12月にともに引退し、その時代を終えた。
 24回対戦し、スイフトセイダイ15回、グレートホープ8回。同着1回。いずれも種牡馬となり、グレートホープが浦和のユングフラウ賞に勝ち、関東オークス2着のモミジホープを送り出している。
文●日刊競馬 小山内完友
写真●いちかんぽ
競走成績
第19回 みちのく大賞典 平成3年(1991年)5月12日
  サラブレッド系 1着賞金2000万円 盛岡 2,000m 晴・良
着順
枠番
馬番
馬名
性齢
重量
騎手
タイム・着差
人気
1 3 3 グレートホープ 牡6 57 菅原勲 2.10.6 3
1 7 7 スイフトセイダイ 牡6 59 小竹清一 同着 1
3 2 2 ダンシングジオット 牡8 55 小林俊彦 3 5
4 4 4 ホワイトシロー 牡9 54 佐藤雅彦 4 8
5 8 8 ソダカザン 牡8 56 佐藤浩一 2 1/2 4
6 5 5 エンゼルトーン 牡8 55 菊地光幸 1/2 7
7 1 1 シャドウイメージ 牡7 56 及川良春 2 2
8 6 6 センターグレイバー 牡6 55 千田知幸 3 6
払戻金 単勝180円・100円 複勝160円・100円・160円 枠連複450円