レースハイライト タイトル
dirt
2013年12月28日(土) 園田競馬場 1400m

早め先頭から後続を突き放す
目指すGⅠはダートも芝も

 近年のダートグレード戦線は、ますます中央の層が厚くなり、それが今回のハンデに表れたといってもいいだろう。中央勢は59キロと57キロが2頭ずつ。対して地方馬は52キロか51キロという極端なもの。短距離路線では芝からの参戦も目立つようになり、特に今回は芝で重賞勝ちがあり、前走初ダートでも好走を見せたという2頭が出走。単勝1番人気は3歳のエーシントップだが、JBCスプリントJpnⅠ・2着のドリームバレンチノとの馬連複は最終的に1.5倍と人気が集中した。
 このレース連覇を狙うティアップワイルドがハナに立ったのは昨年と同じだが、違ったのはペース。高知のファイアーフロートに、出負けして掛かり気味に前を追いかけたエーシントップ、さらには北海道から遠征のウルトラカイザーと4頭が1コーナーの入口まで競り合った。
 それを見ながらやや離れた位置からレースを進めたのがドリームバレンチノで、抜群の手ごたえのまま3コーナー手前で早くも先頭に立った。エーシントップが追いかけ、3~4コーナーでは3番手以下がやや離れたため、やはり人気2頭の一騎打ちかに思えた。
 しかし直線を向くとドリームバレンチノが単独先頭に立ち、後続を突き放してのゴール。残り100メートルあたりでエーシントップは失速。代わって外から伸びてきたのが高知のエプソムアーロンで、4馬身差の2着に入った。そしてペースが速くなって末脚を生かす展開になればダイショウジェットの出番となり、さらに4馬身差の3着に入った。
 昨年、ティアップワイルドが逃げ切った時の勝ちタイムは1分26秒4で、最後の3ハロンは37秒0。今年の勝ちタイムは1分25秒5で、レースの上がりが37秒2だから、単純に引き算をすれば、いかに今年の前半のペースが速かったかがわかる。
 まずは単勝76.9倍の6番人気ながら2着に入ったエプソムアーロンに触れておきたい。中央時代はオープン入着の実績があり、今年9歳ながら高知・雑賀正光厩舎の所属として園田820メートルの園田FCスプリントを勝利。その時も鞍上は兵庫の下原理騎手で、同じように前で競り合う馬たちを見て進み、園田の短い直線で外から伸びてきた。その後、息子である兵庫・雑賀伸一郎厩舎へ移籍していたが、再び高知へ戻って地元戦を圧勝しての挑戦。3年連続での地方全国リーディング(勝利数)を確定的にしている雑賀正光調教師は、過去にグランシュヴァリエでマイルチャンピオンシップ南部杯JpnⅠ・3着などがあったが、ダートグレード2着は初めて。検量室前で満面の笑みを見せた。また51キロでの騎乗となった下原騎手は、「1週間前から1日1食で、しんどかったです(笑)」という苦労が報われた。
 さて、勝ったドリームバレンチノだが、「59キロを背負って、早めに先頭に立って大丈夫かなと思った」という加用正調教師だが、さすがにGⅠ/JpnⅠ級の馬がほかにいないというメンバーでは力の違いを見せつける結果となった。今後はダートか芝かという問いには、「今日の勝ちっぷりを見ると、芝に戻すよりもダート路線のほうがいいんじゃないかな」と。根岸ステークスGⅢ(2月2日)で相手関係を見極めて、フェブラリーステークスGⅠ(2月23日)が目標となる。さらに続けて、「強いの(ロードカナロア)がいなくなったから、高松宮記念にも魅力がある」とも。今後の短距離路線では、ダート・芝、双方で主役級の1頭となりそうだ。

岩田康誠騎手
JBCでも2着で、力があるのはわかっていたので、あとは59キロを克服できるかという気持ちで臨みましたが、期待以上に強かったと思います。前半の流れが速かったので、うしろでじっとできましたし、2コーナーを回って勢いに乗ったら馬が勝手に行ってくれたので、すごく楽な競馬ができました。
加用正調教師
頭数も11頭と少なかったのと、スタートもよかったし、間隔をあけて使えたので、いい状態でレースに臨めたのがこういう結果になったのかなと思います。相手が楽になったといっても軽ハンデの馬もいるので、そういう馬も怖いと思っていたんですが、さすがにジーワン2着馬ですね。見ての通りの完勝でした。

軽量を生かして2着に健闘したエプソムアーロン(高知)

取材・文:斎藤修
写真:川村章子(いちかんぽ)