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2008年12月7日(日) JRA阪神競馬場 ダート1800m


2度の手術を乗り越え復活勝利、6歳世代が上位を独占

 今年は帝王賞JpnIを制し、2歳時から3年連続でのJpnI(GI)勝利という快挙を達成しているフリオーソが、昨年に続いてジャパンカップダートGIに挑戦。今年から阪神1800メートルへと舞台が変わり、前走園田のJBCクラシックJpnIに続いて関西圏への遠征となった。
 南関東でしか結果を残せていないフリオーソにとっては、JRAのGI、そして国際GIは、さらにステップアップするためにも越えなければならない大きなカベでもある。
 パドックに現れたフリオーソは、前走JBCクラシック(4着)から、なんとプラス17キロ。しかしこれは決して太め残りではない。むしろJBCのときが陣営にとっては想定外に減っていたのだ。ボンネビルレコードを相手に強いレースをした帝王賞のときよりわずか1キロ重いだけの508キロは、むしろ万全の仕上げといっていいだろう。パドックでも周回を重ねるごとに気合を見せていた。
 15頭立て14番枠からスタートしたフリオーソの戸崎圭太騎手は、内の馬の様子を確認しながら無理することなく先団へ。3〜4コーナーでも絶好の手ごたえのまま直線を向き、早め先頭に立っていたサクセスブロッケンに並びかける勢い。もしかして、と一瞬思わせたものの、押し寄せてきた後続勢に次々と交わされ、7着でのゴールとなった。
 「前回(園田のJBC)よりぜんぜん調子はよかった。4コーナーまではいい感じだったんですけど」と戸崎騎手。
 昨年のジャパンカップダートが、勝ったヴァーミリアンから2秒4も離された10着惨敗だったことを考えれば、勝ち馬から0秒7差の7着という今回の結果は見どころがあった。中央への挑戦を続け、ペースや馬場に慣れれば逆転可能なところに来てはいるのではないか。
 フリオーソは、地元南関東での東京大賞典JpnIであらためて中央勢を迎え撃つことになる。

      
 
 

 

 そして勝ったのは、国内GI(JpnI)6連勝中のヴァーミリアンでも、3歳ダート王のサクセスブロッケンでも、アメリカ帰りのカジノドライヴでもなく、なんと3年前のこのレースの覇者、カネヒキリだった。
 先行集団のうしろ、5番手あたりを追走したカネヒキリは、3〜4コーナーでラチ沿いから進出。直線半ばで先頭に立つと、外から猛然と追い込んできたメイショウトウコン、ヴァーミリアンをアタマ、クビの差でしりぞけた。4着にはサンライズバッカスが入り、6歳世代が上位4着までを独占する結果となった。
 「1800メートルは、この馬にはパーフェクトな距離」とルメール騎手は勝因を語ったが、4コーナーで外を回して追い込んできた2頭に対し、カネヒキリはラチ沿いの最短距離を通ったことが、大きな大きなアタマ、クビの差となったのではないか。
 そしてもっとも賞賛されるべきは、カネヒキリを復活に導いた角居勝彦調教師の手腕だろう。28カ月という長期休養、屈腱炎を患った右前脚の2度に渡る手術を乗り越え、最強6歳世代の中で再び頂点に立たせて見せた。

取材・文:斎藤修
写真:森澤志津雄


 
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