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2008年11月27日(木) 園田競馬場 1400m

 

期待に違わぬレースぶり、デビューから3連勝でJpnII奪取

 注目された外国産馬2頭が期待どおりの強さを見せつけた。
 デビュー戦を7馬身差、そして2戦目はレコード勝ちと、いずれもダートで圧勝してきたスーニは単勝110円という圧倒的な人気。スタート後は無理せず3番手につけると、決して遅くはないペースながらも引っぱり切れない感じの手ごたえ。2コーナーで2番手、そして3コーナーでは早くも先頭に立った。4コーナーでは2番人気のアースリヴィングに並びかけられたものの、直線を向くとなんなく突き放して完勝。デビューから無傷の3連勝で、JpnIIのタイトルを獲得した。
 2馬身半という決定的な差をつけられ2着に敗れたアースリヴィングにとっては、相手が悪かった。ただ1戦1勝のキャリアで臨んだけあって、まだ粗削りな部分もあり、1コーナーを回るところで大きく外に膨らんでヒヤッとさせられた。それでもすぐに立て直し、再び勝ち馬の直後に取りつくことができたのは、持ち前のスピードゆえだろう。
 昨年からJpnIIに格上げされ、今年第10回という節目を迎えた兵庫ジュニアグランプリだが、これは兵庫にサラブレッドが導入された歴史そのものでもある。
 このレースがスタートした当初、中央の有力馬には芝ではちょっと足りないからダートに矛先を変えてきた、というようなパターンが目立った。しかし今回、外国産馬のワンツーということもそうだが、それ以上に、圧倒的な人気を集めた2頭が、ここまでダートのみを使ってきたということでも時代の移り変わりを感じさせられた。

 
内田博幸騎手
 無理して先頭に行く馬でもないので、ハナにはこだわりませんでした。道中はいい感触で、前の馬はとらえられると思い、うしろから来る馬がどうかという感じでした。4コーナーでちょっと気を抜いてもたついたので、今回初めて肩ムチを入れたら反応してくれました。 
 
吉田直弘調教師
 3番手からになりましたが、レースは安心して見ていられました。4コーナーで並びかけられたときも、手ごたえはよかったし、力の差はあるのかなと思って見ていました。むしろレースが盛り上がってよかったのではないでしょうか。
 
 

 近年、中央の2歳戦線でもダートの番組が充実してきたということもあり、デビュー戦から迷わずダート路線に絞って使われる馬が増え、ダートの層は格段に厚くなっている。今年の1、2着馬は、まさにその典型。中央勢が上位4着まで独占したのも、その結果といえるだろう。
 ただ今回、地方勢は歯が立たなかったとはいえ、レベルの高いと言われるホッカイドウ競馬所属馬からはチョットゴメンナ1頭のみの遠征にとどまっただけに、仕方のない結果ともいえる。JRAの札幌2歳ステークスJpnIIIを3着、北海道2歳優駿JpnIIIで2着と、芝・ダートを問わず活躍を見せていたモエレエキスパートが直前の現役馬セールで取引されたこともあって回避。またハートの流星で注目のマサノウイズキッドも、JRAのレースに出走予定でここを回避していた。
 勝ったスーニは次走未定、2着のアースリヴィングは全日本2歳優駿JpnIに出走の意向とのことだが、いずれにしてもこの2頭が来年3歳のダート戦線でも中心的存在となることは間違いない。

取材・文:斎藤修
写真:宮原政典


 
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