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2008年10月30日(木) 門別競馬場 1800m

 

地元勢は牽制し合いタイトルは中央に、名手の手綱で5馬身差圧勝

 近年まれに見る「史上最強世代」と言われたホッカイドウ競馬勢。ここまで5戦5勝のワンダフルクエストを大将格に、ダートだけでなくJRA札幌開催では芝適性の高さも証明したモエレエキスパート。またオークス馬トールポピーの半弟ナサニエルや、ハートの流星で一躍注目を集めたマサノウイズキッドといった話題馬も、その名に恥じないだけの実績を残してこの舞台に上がってきた。
 だが、ワンダフルクエストに騎乗していた五十嵐冬樹騎手、そしてモエレエキスパートに騎乗していた山口竜一騎手が、レース後に口を揃えた「相手は地元の馬だと思っていた」という思いが、武豊騎手のメトロノースに自分のペースでレースを運ばせてしまうことになる。
 道中2番手でレースを進めていたメトロノースは、4コーナー手前で早くもスパート。9月にJRAで未勝利を勝ち上がったばかりとは思えない確かな末脚で、後方との差を広げた。ここ4年間は地元ホッカイドウ競馬所属馬が連勝していたが、2着のモエレエキスパートにつけた5馬身差の圧勝は、中央馬の実力を見せつけるにこの上ないパフォーマンスとなった。
 武豊騎手は6月に行われた北海道スプリントカップJpnIIIに続くホッカイドウ競馬のダートグレード制覇。またこの日は北海道2歳優駿のほかにも1勝を挙げ、ホッカイドウ競馬での騎乗機会における連勝を4に延ばした。
 インタビューでそのことをアナウンサーから触れられると、「北海道はいいですね。また来たいです」と笑顔を見せていた。それは他馬の動向に惑わされることなく、自分のレースを貫いた会心の笑顔にも見えた。

 
武豊騎手
  状態も良く、いいレースができるのではと思っていましたが、強かったですね。行きっぷりも良かったですが、4コーナーを迎えたところでも弾けてくれました。ダート適性の高さは明らかですし、川崎(全日本2歳優駿JpnI)でも充分にチャンスがあると思います。  
 
安田隆行調教師
  強かったですね。この馬の持っている力を武豊騎手が120%引き出してくれたと思います。距離が長くなったのも合っていたのでしょう。この後はダート路線を歩ませていくことになりますが、まずは全日本2歳優駿を目指します。
 
 

 一方、連覇を阻まれた形となったホッカイドウ競馬勢だが、この後は全日本2歳優駿JpnIでのリベンジを狙う馬もいれば、他地区へと転出してさらなる活躍を期する馬もいる。戦う場こそ違えど、行く先々において「史上最高世代」だったと言わせるようなレースを見せて欲しい。

取材・文:村本浩平
写真:三戸森弘康


 
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