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2008年9月10日(水) 荒尾競馬場 1500m


 

九州産馬頂上決戦は1着同着!テイエム勢が表彰台独占

 九州産馬限定競走としてJRA小倉の条件特別として行われていた霧島賞は、1997年から九州地区(佐賀・荒尾・中津)持ち回り開催の地方オープン・JRA条件交流の重賞競走となり、荒尾での固定開催となった2001年以後は、春の九州産3歳馬によるたんぽぽ賞とともに九州産馬路線を形成。現在では荒尾競馬を代表するレースとしてすっかり定着している。
 今回の霧島賞は、前回(馬インフルエンザの影響で、昨年8月から順延され今年1月に施行)の覇者ナセを筆頭に近年の霧島賞上位馬が多数出走。霧島賞トライアルの2戦は3歳馬のスズノクロヒョーとカシノヨウスケが制し、今年のたんぽぽ賞勝ち馬クリノダイシスとともに、3歳・古馬の新旧勢力が結集しての九州産馬頂上決戦にふさわしい好メンバーが揃った。
 その中でブレイズカップ(佐賀)、霧島賞トライアル・えびの特別(荒尾)と条件交流戦を逃げて2連勝中のスズノクロヒョーが圧倒的人気を集めたものの、スタートで躓いて痛恨の出遅れ。結局ナセが前回の霧島賞同様に逃げる展開となった。それを見るように2番手の位置に付けたテイエムミゴテカが4コーナーで先頭に立ち、直線でそのまま押し切るかと思われたが、直線で豪快に追い込んできたテイエムジカッドがぐんぐんと差を詰め、並んだところがゴール。長い写真判定の結果、1着同着となった。

 馬主の竹園正繼氏は霧島賞初優勝。テイエム勢同士で優勝を分け合う形となった上に、3着にもテイエムヨカドーが入線。3着馬までが対象となる表彰式では、同じ勝負服の3名の騎手が並ぶこととなった。
 
村島俊策騎手
(テイエムジカッド)
  ゴールしたときは下を向いて追っていたし、前の馬が脚を残していたので届いたかどうかはわかりませんでしたが、どちらも同じ馬主さんの馬ですしね。これからも上を目指して頑張っていって欲しいです。  
 
木原一良調教師
(テイエムジカッド)
  前に行けない馬なのでどうしてもこういう展開になってしまいますが、前走でも最後はいい脚を使っていたので、1500メートルに距離が伸びるのは面白いと思っていました。荒尾のコースは合っているだけに、その100メートルの距離延長に賭けて今回は来ました。
 
和田竜二騎手
(テイエムミゴテカ)
  今回、道中はほぼ予定どおりに行けました。冬場は調整の難しい馬ですが、これぐらいは走れる馬です。  
 
松田俊治
調教助手
(テイエムミゴテカ)
  前回の霧島賞の時は状態がよくありませんでしたが、今回は休み明けを1度使って太めも解消されて状態が上向きでした。
 
 
 

 テイエムジカッドは昨年のたんぽぽ賞の勝ち馬で、荒尾での九州産馬限定重賞2勝目。テイエムミゴテカは一昨年にたんぽぽ賞と霧島賞をともに2着。JRA1000万円以下条件でも掲示板を確保している実績もあった。前回の霧島賞では1番人気に推されたものの7着敗退だっただけに、今回は待望の霧島賞制覇となった。
 前回の霧島賞では佐賀所属のナセが優勝するなど、掲示板に地方所属馬が3頭入っていた。しかし今回は、1〜6着をJRA勢が独占。JRAからの出走馬7頭すべてが荒尾での九州産馬限定戦での上位入着実績があり、地方勢は強力なJRA勢相手に屈する残念な結果となった。

取材・文:上妻輝行
写真:荒尾競馬組合


 
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