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2008年8月14日(木) 旭川競馬場 2300m

 

人気2頭の叩き合いも、無念を晴らすハナ差の勝利

 平成元年にスタートし、今年区切りの第20回を迎えたブリーダーズゴールドカップJpnII。第7回から行われてきた旭川ナイトレースも今シーズンで最後。注目のユキチャンが補欠のまま出られなかったのは残念だったが、場内はたくさんのお客さんで、旭川ナイトレースがスタートしたころの賑わいを取り戻したかのようだった。
 ともにここまでダートグレード4勝のサカラート、メイショウトウコン、この2頭に人気が集中。そしてレースでも、最後の直線はこの2頭の叩き合いとなった。
 スタートでサンキンツヨシが落馬。これに驚いたのがとなりのメイショウトウコンで、トモを落として最後方からとなった。しかしもともとうしろから行く馬。長距離戦でもあり、藤田伸二騎手は落ち着いてレースを進めた。
 地元期待のカオリノーブルが後続を離して逃げ、1番人気のサカラートは3番手集団、ヤマトマリオンもそのうしろに続いた。サカラートが3〜4コーナーで持ったまま先頭に並びかけると、徐々に位置取りを上げてきたメイショウトウコンもその直後まで押し上げた。直線を向いてカオリノーブルが後退すると、そこからは人気2頭の一騎打ち。メイショウトウコンがじわじわとサカラートとの差を詰めると、ぴったり並んでゴール。クビの上げ下げは、わずかハナだけメイショウトウコンが出ていた。

 
藤田伸二騎手
  もともとうしろから行く展開にはなると思っていたので、外を回らないように、3分3厘からマクっていけばと思っていました。直線ではサカラートも手ごたえがよかったけど、並んだら交わす自信はあったので、最後は必死で追いました。  
 
安田伊佐夫
調教師
  うしろから行く馬なので、後方からになったのは心配しなかったのですが、最後は伸二がよく追ってくれました。休み明けでも調教をしっかりやっていたので、馬がよくなっていました。エルムステークスを使って、秋のダートGI戦線が目標です。
 
 

 3馬身離れた3着にも中央のヤマトマリオンが入り、3番人気に支持された地元のカオリノーブルはクビ差4着。地元ホッカイドウ勢にとっては、今年も中央勢の厚い壁を突き崩すことはできなかった。
 思えば昨年、メイショウトウコンは最有力馬としてこのレースに臨む予定だった。ところがまさにその当日、馬インフルエンザの発生が確認され、中央所属馬はすべて競走除外。自身が体調を崩したわけでもないのに、期待されたタイトルを獲りにいくことができず、陣営にとっては無念だったことだろう。その1年越しの無念を晴らしたいという思いが、最後わずかハナの差だけまさったように思えてならない。

取材・文:斎藤修
写真:三戸森弘康


 
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